◆コロナとの共存?
感染がピークを越えたころから、マスコミが盛んに「コロナとの共存」とか「ウィズ コロナ」とか言いはじめた。
(あ、どうでもいいけど、と言いながら気になっているのだが、「共存」は「きょうそん」と読んでほしい。「存在」なんだから。
「きょうぞん」だと、ふつうの辞書の見出し語にはなってないはずだと思うんだけど、多くのアナウンサーがそう読んでいるようだ。)
「共生」とか言わないだけマシかもしれないが、もっとほかにいい言い方はないのだろうか。
だれがこんな厄介なウイルスと「共存」したいと思うだろう?
まして、With Corona ??、それじゃあまるで「コロナとともに」じゃないか。
哲学的な生物学者たちが、人類は昔から種々のウイルスと共存してきた・・・などと言っているのは知っているし、それは事実なのだろう。
生物学的な意味でも歴史社会学的な意味でもウイルス抜きで現在の人類はありえない・・・とか言われれば、それもそうかもしれない。
でもたとえば、(ウイルスではないが)ペストの流行がルネサンスをもたらしたとか、最近になって?巷間よく言われるようになった例でも、ペストに悩まされた、まして死んでしまった人たちにしてみれば、ルネサンスなんて来なくてもいいから、ペストなどない方がよかったに決まっている。
人類史的に見て、ペストの流行が中世を終わらせたことにいくばくかの功があるとしても、別にペストがなくたって、別の形でルネサンスも近代も訪れたはずである。
ともかく、この忌まわしいウイルスと「共存」するとか、ましてともに連れだっていこうとか、そういうニュアンスから逃れられない表現はぜひ避けて、知恵を絞ってもっとふさわしい表現をマスコミは探してほしい。
・・・というだけでは無責任なので、数十秒ほど頭を振り絞ってみたが、とりあえず「腐れ縁」という言葉しか思い浮かばなかった。
「コロナとの腐れ縁」
美しい表現ではないが、もともと、「共存」なんていうような美しいものではないのである。
もう少し考えて、ぜひ適切な表現を見つけてほしい。
後記:シソーラス(類語検索辞典)を調べてみると、「悪縁」「宿縁」が見つかった。特に後者なんか候補としてどうだろう? ダメかな。
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