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2020.07.10

●とにかく被害の少なからんことを

 水害が続いている。

 わりと旅行が好きなので、今ではすべての都道府県を訪れたことがあり、必然的に、被災地を知っていることが増えた。
 東北の津波の時には、かつて泊まった東松島のペンションが跡形もなく流されたりしている。現地に行って場所を探し当てても、そこがそうだとはどうしても確信できなかった。

 今回特に気になったのは、熊本県の人吉市である。

 泊めていただいた古い旅館はテレビで見かけなかったが、被害状況から察するに、無事であるはずがない。
 新型コロナ禍のあとにこれでは、存続すら危ういのではなかろうか。

 4年前の九州旅行で唯一の贅沢をした老舗の鰻屋の方は、無惨な姿を何度か画面で見ることになった。
 不幸中の幸いで人的被害はなさそうだが、お店は滅茶苦茶、秘伝のタレも使えなくなってしまっている。
 たったいちど訪れただけのご縁ではあるが、人生で2〜3回しか経験のない老舗の鰻重であり、思い入れは浅くない。
 一日も早い再開を祈る。
 
 これまでもこれからも、あそこもそこもここも、とにかく被害の少なからんことを祈るしかない。無駄な祈りとは知りつつも。

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