★「第2波まっただ中」感染症学会理事長 政府は明言せず
政府のことを書こうとすると、のべつ怒っていなければならなくなるので避けてきたが、久しぶりに書きたくなった。
日本(政府)の病根が宿っている事例がまたぞろ出てきたからである。
本日付の朝日新聞朝刊(大阪本社版)によると、
新型コロナウイルスの国内の流行状況について、日本感染症学会の舘田一博理事長は19日、東京都内で始まった学会の学術講演会で「『第2波』のまっただ中にいる」と述べた
そうである。
「6月以降の感染者数は今春の「第1波」の2倍以上にのぼる」のだから当然だ。
ところが、「政府側はこの日、「第2波」とは明言しなかった」という。
菅義偉官房長官は「4月の緊急事態宣言当時とは状況が異なっている」(7月30日)
加藤勝信厚生労働相は「必ずしも定義があるわけではない」(8月19日)
そして、安倍晋三首相はといえば、議員が要求する国会召集に応じないという憲法53条違反を犯しつつ、国会の閉会中審査にも一度も出席しないばかりか、記者会見もほとんど行わず、数少ないQ&Aの答も、あらかじめ用意した(おそらくは)官僚の作文を読み上げるだけである。
これほど明確に第2波が来ているのに(日本感染症学会の理事長でなくとも、グラフを見ればだれだってわかる)、どうして政府は頑なにそれを認めようとせず、「最高責任者」を自認する首相は逃げまわっている(ように見える)のか。
たとえば
「第2波は来ているが、第1波の時とは状況が違う」
「第2波は来ているが、適切に対処している」
「第2波は来ているが、重症者や死者は減っている」
とか言うならまだわかる(後半の事実はどうか知らないが)。
だが、第2波が来ていること自体を頑なに認めようとしないのはいったい何なのか?
個々の戦闘による敗北さえも認めようとしなかった「大本営発表」を思い出さざるをえない。
戦後75年も経っているのに、相変わらず同じようなことを繰り返している。
よくなったのは、「第2波まっただ中」と明言しても特別高等警察(特高)に逮捕・拷問されたりする心配がなくなったことだろうか(それはほんとにありがたいけれど)。
___
第1波をほぼ完璧に押さえ込み、ごく平常の生活に戻っていたニュージーランドでは、少数の市中感染者が出ただけですぐにロックダウンに踏み切って、第2波を押さえ込もうとしている。
いや、ニュージーランドの政策に必ずしも賛成というわけではない。感染防止と経済活動を両立させるための方策などを考えると、まったく素人の一個人としては、どういう政策が正しいのかは「わからない」としか言いようがないからだ。
ただ、確かなことは、現在の日本の状況で第2波が来ていることを認めないというような愚を、ニュージーランド政府なら(他の多くのあまり感心できない政府ですらも)犯さないということである。
第2波が来ていることを認めなければ、いつの間にかコロナ禍は神風によって吹き払われるとでも思っているのだろうか。
ちょうど大戦末期に、「負けることを認めなければ勝てる」と考えていたように。
歴史からも経験からも学ばず、事実すら認めようとしない政府を持たされている者は不幸である。
いったい誰が選んだんだよ。
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