◆『ロープ 戦場の生命線』(原題:A Perfect Day)
映画はコンスタントに見ています。
手間を厭ってここでご紹介することはほとんどなくなっていますが、これはどうしても紹介したくなりました。
『ロープ 戦場の生命線』(原題:A Perfect Day)です。
この邦題は、例によっていただけません。
舞台は戦場ではありませんし、発砲も爆発もありません。画面内で人が死傷したりすることもありません(ただし、死体は出てきます)。
ロープは確かに鍵となるアイテムではありますが、それが生命線という文脈でもありません。
一方で、原題の"A Perfect Day" にこめられたシニカルなユーモアは、なんともいえないよい味を出しています。
舞台はバルカン半島のどこか。戦争がいちおう終結したあと、和平協定が結ばれた地域に入って援助活動をするNGOの多国籍チームが主人公です。
何者かによって井戸に死体が投げ込まれ、村人の「生命線」である水の確保が困難になりました。
NGOは、ロープを使って引き上げようとしますが、それが途中で切れてしまいます。
そのため、ロープを探しに出かけるのですが・・・
なんといっても、シリアスな状況を皮肉な笑いで包みこみながら人道支援をする登場人物たちが素晴らしい。
その彼ら彼女らが、理想に燃えた美しい存在としては描かれていないところに、えもいわれぬリアリティがあります。
私の筆力ではとても紹介できませんね・・・
何はともあれご覧ください。私が今年見た、軽く100は超える映画の中で1番の傑作かもしれません。
(A Perfect Day, 2015 Spain)
(台詞はほとんど英語ですが、多様な言語が飛び交う点もすばらしいですね。)
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