★初めての写経
父母の葬儀や法要を執り行ってくれた(る)僧侶に言われて、般若心経を写経している。
正直、はた迷惑な話だが、「写経をして四十九日に持参しなさい」と言われて、「嫌です」というのも角が立つので、仕方なくだ。
重い腰が上がらず放置していたのだが、以前買った新品の筆ペンがあると家人が言うので、少し書いてみた。
想像より量は少なく、ものの20〜30分で終わりそうではあるが、何しろ字を書くことなどこの30年以上ほとんどないので、なかなかに疲れる。
職場で、「よろしくお願いいたします」と自分の名前とをポストイットに書くのすら面倒なのに、筆ペンで写経というのはハードルが高い。
それでも、なんとか半分くらいは書いた。
「こんなに字を書くことが他にあるかなあ・・・」と考えてみると、唯一、年賀状の表書きだけがあった。
しかし、それも数年前にやめてしまった。
もはや、字を書くことはほとんどない。
気が小さくて「やめたい」と言うことができず、小中高と12年間も仕方なく通っていた書道教室で培った中途半端な腕を、発揮する機会はほぼ絶無だ。
中学に入るときとか高校に入るときとか、やめるきっかけはあったのに(そして実際、そのタイミングでみんなやめていったのに)、ずるずると厭々つづけていたのは、いったいなんのためだったのか。
通っている高校生は、私ただひとりであった。
情けない話だが、大学に入り、通学に時間がかかるからという理由でやめることができたときには、ほんとにほっとした。
もっと真面目に取り組んでいれば・・・というふうにも、ほとんど思わない。
ただまあ、お蔭で、般若心経を写経しても、字が下手すぎて見られない・・・というほどではない。
もとより、薄い文字をなぞるだけなのだから当然なのだが、これとて、書道をやったことがなければ悲惨な文字の羅列になったことだろう。
これが少しでも父母の供養になるというのであれば、せめて厭々ではなく、なんとか最後まで写経したい。
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