◆狂犬病か恐水病か
以前、ERだったかグレイズ・アナトミーだったか、医療系のアメリカドラマで、"rabies" を「恐水病」と訳していて、何のことだかわからなかった経験をどこかに書いた。
そのときは ポリティカル・コレクトネスの問題かと思っていたが、朝日新聞のbe「サザエさんをさがして」で「狂犬病」が大きく取り上げられていた(2023年2月25日)。
「サザエさん」(1947年3月7日)では、狂犬病の犬(だと勘違いしたヤギ)に追いかけられて池に飛び込む男性の姿が描かれているのだが、それを解説した記事では、なぜこの男性が池に飛び込むのかにはまったく触れられていないし、恐水病の恐の字も出てこない。ずっと一貫して「狂犬病」である。
おそらく、狂犬病に罹った犬が水を恐れること自体、記者は知らなかったと思われる。
「狂犬病」が別に問題のない言葉だとすると、冒頭のアメリカドラマの翻訳は、狂犬病を知らない若い?翻訳者が、特定の辞書を引いただけでそのまま訳語を採用した可能性が高いのだろうか。
その回の鍵概念・キーワードだったので、「恐水病」がわからなくて興味半減、何のことかと再生停止して調べたりした。
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『ランダムハウス英和大辞典』第2版(小学館)
ra·bies [réibiːz]
n. 〘病理〙 恐水病,狂犬病(hydrophobia):犬や猫,その他の動物のかかる伝染病; ラブドウイルス群のリボ核酸(RNA)ウイルスが病原; 人間は主に感染した犬にかまれて発病する.
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