●いずこも同じ秋の夕暮れ
朝日新聞に「TSMC来ても「経済安保は守られない」 半導体政策失敗の本質とは」と題する記事があった(2023.11.24)。
「TSMCの衝撃」と題する連載の最終回である。
それは、以下のように結ばれる。
2021年に衆議院で意見陳述する機会がありました。僕は「経産省が出てきた時点でアウトだ」と言いました。経産省が先導した半導体政策は過去、ことごとく失敗してきたからです。
失敗の本質は何か。官僚は自分が担当の2〜3年の間に実績を上げてステップアップしたい。実績とはいくら予算を使ったかということで、それを勲章と考える。目に見える最も分かりやすい実績です。
しかし、予算を使った後は異動してしまい、それが競争力に寄与したのか、誰も分析しない。反省もしない。どんちゃん騒ぐだけです。こうしたことは、もう繰り返してはいけないと思います。
筆者は、日立製作所に長く勤務して、現在は独立し「微細加工研究所所長」を務める湯之上隆氏だ。
絶望的なのは、上記の「経産省」を「文科省」に置き換えても、まっっったく同じだということである。
おそらくは、ほとんどどの省庁名に置き換えても同じようなことだと思われる。
「もう繰り返してはいけない」「どんちゃん騒ぐだけ」の政策?は、私が知るだけでも四半世紀以上にわたって繰り返されており、現在も進行中である。
そして、これからも繰り返されることはほぼ確実だ。
「騒ぐだけ」ならまだいい。むしろどんどん悪くなっていることは、半導体の話をとってみても周知の事実であろう。
はたして、この国に未来はあるのだろうか?
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