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2024.08.30

★GPSとiPhoneの旅

 同じことの繰り返しなので特に新しいことはないのだけれど、2012年の旧東欧の旅からはGPSナビゲーションが、2016年のアイスランドの旅からはiPhoneが必需品になった。
 もっとも、アイスランドではGPSはほとんど必要なかったので、両方必要になったのは2019年のバルト3国からだ。

 昨年のニュージーランドはともかく、今年のポルトガルとスペインは、ナビがなければとてもたどり着けないようなところへ頻繁に案内されている。
 今日のサンティアゴ・デ・コンポステーラの駐車場なんかも、もしナビがなければいったいどうやって行けばいいのか見当もつかない。

 そういえば、昨日まで滞在していた、ヴィラ・ノヴァ・デ・フォス・コアでは、本格的に自分の位置と方角を両方見失うという、不安になるような経験をひさしぶりにした。Google Maps があってすら、位置がずれ、方向がおかしいことがときどきあるので、そういうことも起こる。
 どちらの街も道が入り組んでいる上に、通行不可や一方通行の道が多く、Google がそれを無視して指示を出したりするものだから、余計に混乱した。

 以前も書いたが、昔は通りすがりの宿に当日飛び込むのがデフォルトだった。しかし、今回の旅行では、そもそも「通りすがりの宿」などというものを一度も見たことがない。さすがにコンポステーラくらいになると街の中にはホテルもあるが、車で走っていて宿を見かけたことはついぞなかった。

 ドイツなんかを走っていると、うるさいくらいに Zimmer Frei(空き室あり)という看板があって、選び放題みたいな感じだったのだが、今でもああいう感じなのだろうか。

 今回は、結局すべての宿を予約してから来たのだが、そうしておいてよかったという感じがかなりする。もっとも、iPhoneやWi-Fiがあれば、当日になってから予約することも簡単なんだけれど。

 海外旅行に出ると、到着した空港でまず現地のSIMを購入してiPhoneに入れるのが必須になった(そういえば、関西空港にもSIMを売る店があったが、いったいどんな契約でどういうSIMを取り扱っているんだろう?)。

 おそらく実際にはやらないが、四半世紀前のように、現地でミシュランの道路地図を買い、ナビもiPhoneも使わないで旅をしてみたらどうなるだろうと思う。

 あれはあれで楽しかったのだが、これも「サウダーデ」というのだろうか?

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2024.08.29

★マニュアル車へのサウダーデ?

 ポルトガルが「サウダーデ」で有名だというのを『地球の歩き方』の表紙で知ったというのはどこかに書いた。
 「ノスタルジー」ともちょっと違う、「郷愁」と訳すとまた違う、ポルトガル独特の概念だということであった。
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 さて、話はマニュアルトランスミッションの車についてである。

 車好きの端くれとして、「車はマニュアルに限る」というのもわからないではない。
 購入する車にマニュアルの選択肢があれば、今でもそれを選ぶかどうか、じゅうぶん一考に値すると思っていた。

 だがもはや、日本で販売されている車の99%がオートマチックだということで、この比率は何と世界一だそうである。
 輸入車を買おうとしても、並行輸入でもしなければ、そもそもマニュアルの選択肢がない。仕方なくオートマチックに乗っているという側面があると考えていた。

 しかし、今日まで1週間、1200キロほどをマニュアル車で走ってみて、マニュアルに意味はないという結論に初めて達した。
 身も蓋もない話だが、面倒くさいだけである。どうしてポルトガルでは、車の90%以上もがマニュアルなのか。

 今のオートマチックはよくできていて、いうまでもなく、アクセルだけで0km/hから200km/h超まで、スムーズに加速できる。ブレーキを併用すれば、その間の速度調節も自由自在だ。
 それに、たとえば私の乗っている車は、いわゆるロボタイズドMTと呼ばれるタイプで、メカニズム的にはMTだから、やろうと思えばクラッチ操作なしのマニュアル変速も可能だし、トルクコンバータを介していないので加減速もMTに劣らずダイレクトだ。
 燃費もすこぶるよく、あえてMTを選ぶ理由がない。

 まあ数十キロも走ればそこそこ自動的に体が動くようになってくるとはいえ、停止から90km/h(一般道の制限速度)でも、1→2→3→4→5→6と忙しくスティックをきこきこしつつ、変速のたびにクラッチを踏み込み、丁寧に戻してつなぐのを繰り返す。
 速度が変われば6→4→3→4→5→6なんてザラだ。低速の市街地でも、1→2→3→2→3→4→2→1→2・・・みたいなことをひっきりなしにやっている。
 これが面倒くさくて無駄なだけでなければ何なのか。「マシン」を自在に操る楽しみ? それは上記のとおりATでも得られるし、ほんとにいったい、マニュアルの意味って何なのかと考え込んでしまう。

 それに、いま借りている車は、変速機こそマニュアルだが、現代の車らしくいろいろコンピュータ化されていて、クラッチを踏んでこきこきしなければならないことの意味をよけいに疑わせる。
 スピードが乗ってくると○速にシフトアップせよとインパネに表示してくるし、落ちると逆にシフトダウンせよという。前車の速度に合わせて追従するクルーズコントロールもついているし、車線からはみ出しそうになると勝手にハンドルが動いて戻そうとする。誤動作だったが、前方に障害物を見つけると自動的にブレーキもかかった。パーキングブレーキも電動で、発進しようとすると自動で解除される。

 いったいどうして、変速だけ、クラッチを踏んだり戻したりしながら、しこしことスティックを動かさなければならないのか。「そんなにシフトアップ(ダウン)せよというなら、お前がやれよ」という気になってしまう(笑)
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 もはや、マニュアル車を愛好するというのは、サウダーデにすぎないという結論を得たことが今回の旅行におけるひとつの収穫である。いや、サウダーデだかノスタルジーだか懐古趣味だかわからないけれど。

 実は、次に買うかもしれない車にマニュアルの選択肢があり、少しは考えていたのだが、どんな車を買うにせよ、マニュアルはやめておこうと決めた。
 数年後にこの実感を忘れてしまわないように、ここに明確に記しておく。

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2024.08.20

★「おはよう」の不思議

 ポルトガル語の挨拶を覚えようとしている。「おはようございます」は bom dia だ。

 ただ、それだと、bom(≒good) dia(≒day)(よい日)なので、good morning(よい朝)的な言葉はないのだろうかと思った。
 そもそも、英語で good day というと、どちらかといえばむしろ「(この後)よい一日を(≒さようなら)」という意味になってしまう(オセアニアを除く)。

 待てよ、そういえば、フランス語でも「おはよう」は bon jour、つまり「よい日」である。スペイン語は buenos días、イタリア語は Buon giorno、ぜんぶ「よい日」だ。

 つまり、ラテン系(ロマンス諸語)の言語である仏・西・伊・葡はそうなのだ。

 それに対して、英語は good morning、ドイツ語は Guten Morgen、オランダ語は Goedemorgen、その他、調べてみると、デンマーク語やスウェーデン語なども、ゲルマン系の言語は「よい朝」なのである。

 おそらくは常識に属することなのだろうが、今まで整理してみたことがなかったので、こんなにわかりやすく分かれているとは思っていなかった。

 でもやっぱり、「おはようございます」には、Good morning ! や Guten Morgen ! のほうがしっくりくる。最初に習った外国語が good morning(よい朝)で、bon jour(よい日) ではなかったことが、いまだに尾を引いているのかもしれない。

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2024.08.19

★マイナーなポルトガル

 自分自身が何も知らなかったくせにこういうことを言うのもあれなのだが、ポルトガルって思った以上に観光地としてマイナーなようである。少なくとも、日本からの旅行者にとってはそうらしい。

 楽天マガジンというのを契約しているのだが、「8,000冊以上いろいろなジャンルの雑誌が読み放題!」という謳い文句にもかかわらず、「ポルトガル」で検索すると、観光の記事は1つ!しかない。
 しかもそれは、『航空旅行』という、飛行機オタク向けのマイナーな季刊誌(だと思ったが、今年からは年2回のみ発行らしい)が「国際線フライトを楽しむ!」という特集の中で触れているだけなのである。
 あとは、サッカー・ラグビー・車・バイク・ワイン・猫!、それに、通訳翻訳と経済財政の関連で言及されているに過ぎない。

 昨年行ったニュージーランドなら『るるぶ』が、雑誌丸ごと一冊あったのだが、ポルトガル版の発行は2020年3月が最後のようだ。コロナ以降、復刊されていないのである。いま見ると、ニュージーランドはやはり、2024年3月にも発行されている。

 ポルトガルってそんなにマイナーなのかな?

 いやまあ、私もこれまで行ったことがなかったから今回行くことにしたのだが・・・
 確かに、旧東ヨーロッパや、旧ソ連のバルト三国、それにアイスランドよりもあとになってしまった。

 でも、さすがに『地球の歩き方』はあって、2023年12月に出版されている。ただ、これとて「2024〜2025」をうたっており、毎年は発行されていないようだ。
 「今、世界も注目している”サウダーデ”の国を徹底リサーチ!」と表紙にあるのだが、サウダーデって何だよ・・・と思った。
 しかしなんと、『大辞林』と『大辞泉』には、「サウダージ〖ポルトガル saudade〗」として載っており、それぞれ「昔のことをなつかしく思いだすこと。郷愁。」「遠い昔や失われたものにひかれる気持ち。郷愁。」という語釈がある。「ノスタルジー」とはちょっと違うのだろうか?

 ニュージーランドに行ってちょっと残念だったのは、やはり文化や文明の歴史が浅く見えることだった。言葉にはイギリスを感じるのに、街や文化は基本的にアメリカ的だったように思う(もちろん、マオリは別)。

 日本に生まれ育った私が、ポルトガルに出かけて郷愁(サウダーデ)を感じるというのもヘンなのだが、これまでの経験からすると、確かにヨーロッパにはそういうものを感じさせる古い伝統・文化・文明がある。
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 いま、ふと気づいて調べてみると、かつて栄華を誇った旧西ヨーロッパの国に行くのは、2012年のウィーン(オーストリア)を除けば、なんと20年ぶりだ。えっ!?
 あ、違った、2010年にフランス、2014年にイタリアへ、それぞれ仕事で行っている。それでも10年ぶりなのである。

 いろいろ面倒で杞憂(に終わるはずのこと)も多く、なんとなく憂鬱だったのだが、なんだか少し楽しみになってきた。

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2024.08.17

★今年はポルトガルへ その3 ──関空への道

 去年ニュージーランドに行ったときには、伊丹→成田→オークランドと飛んだ。伊丹にはモノレールだけでアクセスできるので、まあ楽だった。
 ただし、帰りはオークランド→成田→(バス)→羽田→神戸だったので苦労させられた。成田から羽田へのバスも高かったし、神戸からは、ポートライナーとJRを乗り継ぎ、最寄り駅からはタクシーということになった。安い航空券の弊害である。

 今年は関西空港なので、タクシーで最寄り駅まで行き、そこからリムジンバス・・・のはずだった。

 しかしなんと、関空行きのバスが運休中だというのだ。コロナで客がいなくなって運休したまま復旧していないようである。これだけインバウンド客が訪れているのに・・・と思ったが、うちの最寄り駅などに来る外国人客はごく限られている。
 それに、物価高と円安とで、アウトバウンド(って言うのかな)もぐっと減っているらしい。われわれだって、格安の航空券が手に入らなければ行かなかった。

 けれど、それよりなにより、原因は運転手不足ではないかと思いあたった。

 やはりというか、先日、大阪府交野市で京阪バスが路線バスを一部廃止するというニュースがあった。「通勤、通学で利用者も多く、廃止は衝撃的」(交野市議会)というような路線である。
 いつもだいたい空(す)いていた関空リムジンバスなど、走らせている場合ではないのもわかる。
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 さて、バス会社の都合に納得していてもしかたがない。どうやって関空まで行くか。

 最寄り駅まではタクシーを利用して、そこからJR大阪駅に向かい、乗り換えて関空快速というのが通常のコースだ。初めからそうするつもりで行ったことも(たぶん)あるし、渋滞でバスが遅れそうだからとそちらに切り替えたこともある。

 でも、タクシーを呼んで近距離のために大荷物を運んでもらうのは気を遣うし、大阪駅で乗り換えるのも面倒くさい。
 費用だって、往復2人でざっと9000円くらいかかる。

 それくらい払うなら、いっそのこと駐車代に充ててはどうかと思いついた。車で関空(近く)まで行って、旅行中は駐車しておくのである。
 荷物の煩わしさを気にしなくていいのが何よりありがたい。

 かつて2〜3回、午前の便に乗るために前泊した際、旅行の間そのホテルに無料で駐めさせてもらったことがあった。ふつうに宿泊費を払うだけで、2週間とか駐めさせてくれるのはとてもありがたかった。

 今回はその手は使えないし、期間も長すぎる。関空かその周辺に駐める方法を調べると、以下の4つに大別できた。

1.関西空港島の公式駐車場に駐める。
2.空港ターミナル前で担当者に自分の車を預ける。
3.空港対岸に駐車して、関空まで送迎してもらう。
4.空港対岸に駐車して、自力で空港へ向かう。

 1は高い。
 2と3にはいろいろな業者がいて鎬を削っているが、料金面や条件の揃ったピンとくるものがなかった。
 4にしようかと探してみたが、愛用している akippa は2週間以上先は予約できないし、Times などを調べても、どうも食指が動かなかった。24時間500円とかもあるので、仮に20日間駐めても1万円ですむのだが、もともとそういう利用を想定していないようだし、何となく不安がある。駐めた駐車場から最寄り駅までは、スーツケースを転がして歩くことになるし。
 関空近くまで車で来て1週間とか2週間とか駐める需要は確実にあると思うのだが、誰かそれ用の駐車場を作ってくれないだろうか。

 考えた末、結局1にした。決め手になったのは、KIX-ITMカードというのを無料で作れば、駐車代が25%引きになることである。それでも高すぎるのだが、お得感にも惑わされ、ぎりぎり許容範囲かという気がした。

 このKIX-ITMカード、当初はクレジットカードかと思っていて、もう有り余るほど持っているし、今から作ったのでは間に合わないのではないかと気にしていなかった。
 しかし実際は、即日作成可能なポイントカードのようなもので、ネットで申し込んでおいて90日以内に空港で受け取ればいいということなので早速申し込んだ。
 誰でもすぐに作れるそんなカードで駐車料が25%オフになるのなら、最初から25%引いた料金を設定しておけばいいのにと思う。

 ホテル日航関西空港のサービスで関空島に車を駐めさせてもらったことはあるが、青空駐車場だった。自分で高いお金を出して関空の公式駐車場に駐めるのは初めてだが、今回は建物の中なので直射日光はあたらない。

 ただ、予約できないのにはちょっと憤慨した。駐車期間が20日間までの場合しか予約できず、今回はそれを微妙に超えるのである。
 まあ、空(す)いているようなので大丈夫なのだが、どうしてそんなつまらない制限をつけるのだろう? たとえば短期滞在を超える3か月以上はダメとかならまだわかるんだけれど。
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 ・・・薄々?わかっていたのだが、車で行って必要になるのは駐車場代だけではない。ガソリン代はともかく、往復の高速や関空連絡橋の料金がばかにならない。
 でも、今のままだと、生きたお金を使えないまま、お金を払えばしなくてすむ苦労を背負い続けつつ、一生を終えてしまうような気がしはじめたのである(ちょっと大袈裟だが)。

 この40年以上でもっとも安い航空券にこだわっている男の言うことではないのかもしれないけれど。

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★今年はポルトガルへ その2

 いつも言っていることだが、ポルトガルに行こうと思うまで、まったくといっていいほど、何も知らなかった。

 知っている地名は、リスボンとロカ岬、かろうじてポルトのみ。
 それぞれ、首都、ユーラシア大陸の西端、ポートワインの産地(積み出し港)として有名だ。

 他はすべて、初めて聞く。世界遺産も17あるというのだが、一つとして知らなかった。

 いちばん安いチケットを求めて日程を決めたこともあり、滞在日数が長くなったので比較的余裕がある。
 リスボンを起点に、最南部は割愛して反時計回りに一周すると、行こうと思えば、(離島にあるもの以外の)14の世界遺産をすべて訪れることも可能だ。
 宿を予約するときに、この辺かな・・・という感じで適当に場所を決めると、次の日の宿まで車で1〜3時間というのがふつうだった。
 意外と?狭いのである。調べると、日本の1/4程度しかなく、北海道より1割ほど大きいだけだ。

 まだ2度目のヨーロッパだった1999年、小学1年生を連れて同じくらいの日程でドイツ・ルクセンブルク・フランス・モナコ・イタリア・スイス・オーストリアを回ったことを考えれば、そうとう余裕がありそうだ。

 そうそう、人口もわずか1000万人ほど。ポルトガル語を話す人口全体の4%くらいか。ブラジルが80%以上、モザンビークやアンゴラなどのアフリカ諸国、および、東ティモールとマカオで残りを占めているらしい。
 そのせいで、iOS 版の Google翻訳には、ポルトガルのポルトガル語が存在しない。あるのはブラジルのポルトガル語で、Excuse me ひとつとってみても違うらしいのである。しかたなく、ブラウザ版を主に利用することにした。
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 ポルトガルを選んだ理由は、まだ行ったことのないヨーロッパの国であることと、治安がよくて(日本よりいいという)物価が比較的安いことである。

 2022年ごろからか、物価高に関しては恐ろしい話をさんざん聞かされたので、もうヨーロッパやアメリカには行けないんじゃないかという感すらあった。
 だが、ポルトガルの宿を予約してみると、リスボンを除けば、2人で1泊60〜90ユーロ(1万〜1万5000円程度)で、70ユーロ以上の宿は朝食込みである。それなりに広くて快適なところを選んでこれくらいなら、まだ日本よりもかなり安い。円安さえなければ、8千円〜1万2000円といったところだ。

 レンタカーも日本よりは安い。ひさしぶりの左ハンドル右側通行マニュアルトランスミッションだが、まあ何とかなるだろう。
 問題は、水が有料であることも含めて、食事がどうなるかである。
 強烈に物価が高いアイスランドに行くときに、初めてインスタントラーメンやレトルトカレーを持参したが、今回も少しは持っていくつもりだ。

 《続く》

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★今年はポルトガルへ その1

 残暑お見舞い申し上げます。こちらではご無沙汰しております。

 「今年は能登へ」の次が「今年はポルトガルへ」になりました。およそ3か月半ぶりのエントリです。
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 去年のニュージーランドでも物価の高さには辟易したのに、今年はさらなる物価高に加えて強烈な円安、航空運賃を調べてみるとやっぱり高いし、夏の海外はいったん諦めていた。

 そんなことも忘れたころ、何の気まぐれかまた運賃を調べてみると、なんと、それまで見ていた半額以下!でヨーロッパ(ポルトガル)に行けることを知った。
 往復12万5000円。初めて飛行機に乗った40年以上前のヨーロッパから数えても、私史上最安のチケットだと思う。

 だいぶ長い間、信じられなかった。
 エアラインは、聞いたこともないエティハド航空という会社。何か からくりやウラがあるのではないかと疑心暗鬼だったが、そのうちに大丈夫そうだということがわかってきた(まあ、乗ってみるまではわからないのだが)。

 何でも、去年の秋に初めて関西空港に就航したらしく、だから知らなかったのだろうと思う。
 アラブ首長国連邦のアブダビを拠点とする航空会社である。

 同国の航空会社としては、エミレーツが日本での知名度抜群である。2012年に旧東ヨーロッパ諸国を中心に周遊した際に利用したが、豪華で綺麗だった記憶がある。
 どうも、エミレーツがドバイ首長国のナショナルキャリア、エティハドはアブダビ首長国のそれということらしく、世界最高の航空会社ランキング(エアラインレーティング・ドットコム)によると、7位の全日空についで8位に入っている。エミレーツは5位、日本航空は15位だ
 (大したことはないが)悲惨な体験をしたユナイテッド(2011年8月の一連のエントリ「★Over the Pacific」シリーズ
をご参照ください)は24位である。全日空レベルで8位なら何の問題もあるまい。

 別の会社、スカイトラックスというところが発表したランキングでは、ANAが4位、JALが6位になっている。残念ながらエティハド航空はルフトハンザに次ぐ19位だ
 このランキングでは、ユナイテッドは42位になっている。

 ともあれ、8位であろうと19位であろうと、買ってしまったものはしかたがない。
 座席指定をしようと思うと、席によって細かく追加料金を取られることが後でわかったが、搭乗24時間前からのオンラインチェックインの際に指定すれば無料らしいので、そうするつもりである。
 (後日訂正:結局、どの段階でも、座席を指定(変更)しようとすると有料でした。(オンライン)チェックインの際に航空会社が指定する席のみが無料です。不確定要素が多すぎてやりませんでしたが、空港に着いてからカウンターで係員と交渉するのがいちばんいいかもしれません。並びますが)

 ただ、何度か座席指定を促すメールが送られてきていて、昨日来たメールには "this is your last chance"(これが最後のチャンス)とか、"There are only a few seats left, so what are you waiting for?"(残席はあとわずかです。なのに何を待っているのですか(≒何をぐずぐずしているのですか))とか書いてあって、ちょっとカチンときた。

 どんな最悪の座席を指定するのも有料だから、無料になるのを待っているのである。しかも、まだガラガラじゃないか。

 今はロシアの上空を飛べないので、フィンエアー(JALとの共同運行)などで北回りを選んでも、南回りのエティハドを選んでも、所要時間はそう変わらない。
 なのに半額でヨーロッパを往復できるのだから、こんなことにめげていてはいけない。たくましく最安値で渡航するのみである。

 長くなったので、続きは別のエントリで。

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