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2024.09.06

■不機嫌なおばさん

 「働くおじさん」と「不機嫌なおばさん」をならべると、なんだかミソジニーのきついショービニストみたいだが、もちろんそうではない。ただ、こちらに来てからの経験では、不機嫌なおじさん1に対しておばさん5くらいの実感はあった。

 同じ働くんだから、「働くおじさん」のように機嫌よく笑顔で働いていればお互いにハッピーだと思うのだが、なぜか不機嫌な人もそれなりにいる。

 特にアメリカには(男女問わず)多い気がしていて、昔、同僚とアメリカに出張した折りに話題にしてみたことがある。その同僚の夫はアメリカ人なのだが、その夫の見解によると「自分の仕事に満足していないから」だということであった。
 アメリカンドリームなどという、ほとんどの人にとっては幻想に過ぎない夢を抱かされ、それが叶えられない現状に常に不満がある。それで不機嫌なものだから、そのとばっちりを顧客が受けるわけである。

 ここポルトガルでは、おそらくそういう感じではない。
 一部に、客のことを金銭を運んでくるだけの存在だと考えていたり、客と人間的な交流を持ちたくなかったりする人がいるのではないかという気はする。
 あるいは、ただプロフェッショナリズムに欠け、まったく事務的に仕事をこなしているだけかもしれない。

 いま泊まっている宿のご主人と娘さんは、いずれもとても愛想がよくて親切だ。
 でも、思い過ごしかもしれないが、ビジネスをうまく展開するための、営業的な「おもてなし」感がないではない。「働くおじさん」で書いたホテル経営者は、そういう感じがまったくしなかった。
 あるいは逆かもしれない。いや、もしかすると双方ともに営業スマイルか、いずれも心からの笑顔かもしれない。ほんとうのところはわかりようがない。
 だがまあ、事実はどうであれ、一介の客として不満はない。

 問題は、先日ランチを食べたレストランのように、経営者だと思われるおばさんがレジに座っていて、いかにも愛想なく金銭の受け渡しが行われることや、今日の工房兼土産物店のように、精一杯の現地語で挨拶してお店に入っていっても、ニコリともせずに迎えられたりすることがたまにあることだ。
 アジア人への偏見が裏にあるのかと僻みたくもなるが、見ていると、白人客に対しても同じなので、妙に安心してしまう。
 でも、いやしくも客商売をしているのだから、もう少し愛想よくしないのはなぜなのか、ほんとに不思議だ。
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 私自身は客商売の経験はないが、一度だけ、ボランティアで蕎麦屋のウェイター?をしたことがある。
 われながら、愛想もよく、目配りも気配りも行き届いた、いいウェイターだったと思う(笑)
 いきつけの寿司屋の大将は、自分が通う店でそういう気の利いた店員を見つけると声をかけ、自分の店でアルバイトをしてもらうと言っていた(ついでに?、奥さんもそうして見つけていた)。

 あ、いま思い出した。
 オーストラリアに仕事で行った際、ウェイターがあまりにひどかったので、店主に苦情を言ったことがある。そんなことをしたのは人生でその時だけだ。
 店主は苦渋の表情で、「ほんとに申し訳ありません。おっしゃることは十分認識しているのですが、人手不足で困っていて、いい人を雇うことがまったくできないのです。どうかお許しください」ということであった。

 そういうことならまだ仕方がない。でも、経営者までが無愛想なのはぜひやめてほしい。

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