■ "I gave at the office." と生成AI
その昔、アメリカのテレビドラマの『ER 緊急救命室』で、さんざん働かされた医師のカーターが宿直室に籠もり、ドアに "Do not disturb ! I gave at the office !" という張り紙をした話があった。検索したところ、字幕は「起こすな! もう死んでる!」だったようだ。
この、"I gave at the office." 、当時はいろいろ調べても納得のいく訳がわからなかった。
文字どおりに訳せば、「私はオフィスで渡した。」ということだが(何を?)、文脈からは、「もうじゅうぶん働いた。」というニュアンスだと思った。
さっき、家人が見ていたフィールド・オブ・ドリームス(ケビン・コスナー)で、たまたま同じ台詞が聞こえてきたので、この件を思い出し、少し「巻き戻し」て見せてもらったが、字幕には訳出していなかった。流れからは「私はもうこの分野で十分貢献した(から今さら何かをするつもりはない)」という感じだった。
あらためて、評価の高いDeepL で "I gave at the office." を翻訳すると、「事務所で渡したよ。」「会社で渡した。」「事務所で授賞式を行った。」と出てきたが、どれもヘンだ。Google 翻訳でも同様に「事務所でお渡ししました。」と出る。
さて、時代は流れ、いまは生成AIというものが存在する。
3つほどのAIに尋ねると、どれも的確な答を返してきた。中でも秀逸だったのは、Claude 3.5 Sonnet で、以下のような回答であった。
「I gave at the office.」という英語の表現を日本語に訳すと、以下のようになります:
「もう寄付しました。」または「すでに寄付済みです。」
この表現は、文字通りの意味ではなく、慣用句として使われます。主に以下のような状況で使用されます:
寄付や募金を求められたときに、丁寧に断るための言い訳として使います。
実際に職場で寄付をしたかどうかに関わらず、これ以上の寄付や貢献を求められたくないという意思を示すために使います。
より広い意味で、「もう十分貢献した」「これ以上は勘弁してください」というニュアンスを込めて使うこともあります。
したがって、この表現は直訳ではなく、文脈や状況に応じて適切な日本語表現を選ぶ必要があります。
ここまで気の利いた解説は、これまではその分野に詳しい人間からしか得られなかった。
それがこうも簡単に的確な説明が得られるようになったとは・・・
あとは、しれっと嘘をつかないように、わからないことはわからないときちんと返事するようにAIをチューニングするだけで、ものすごく役に立つツールになると思う。
現状では、嘘をつかれたときに見抜ける分野でないと、使いものにならない。
だが、何でもAIに聞けばとりあえずOK・・・まで、そう遠くはない気がする。
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