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2025.03.16

●20倍の防振双眼鏡

 通常、双眼鏡の倍率は8倍。それ以上だと、手振れで像が安定せず、かえって見づらくなったりする。

 安定した保持に自信がある場合でも、まあ10倍。実際、まともな双眼鏡メーカーなら、この2つの倍率が大部分を占める。

 あと、なぜか6.5倍というのがけっこうあり、視野が広くて便利だ。
 博物館や美術館などでの利用、それに、いわゆる「推し活」にも向く。

 屋内使用に便利な5倍、4倍・・・というのもないではないが、選択肢がごく限られる。

 また、ごく一部の例外を除き、2倍3倍の製品はガリレオ式の簡易的なもの(「オペラグラス」を名乗っていることが多い)なので、お勧めできない。

 以上は、手振れを気にしつつ手持ちで使う場合の話。防振装置(手振れ補正機能)のついた双眼鏡だと話は変わってくる。

 キヤノンの双眼鏡は、8倍から18倍で、すべてが防振
 ニコンの防振双眼鏡は10倍と12倍の2つだけ
 ビクセンは10倍から16倍の4機種
 サイトロンは10倍から16倍

 そんな中、12倍から16倍で展開していた富士フイルムから、新しく20倍の防振双眼鏡、FUJINON TECHNO-STABI TS-L 2040 が出た(16倍バージョンも同時発売)。

 20倍というのは、三脚に固定して使う望遠鏡の基本倍率である。また、三脚に乗せていても揺れで見づらくなったりする倍率でもある。

 その倍率が、手持ちの防振双眼鏡でお手軽?に・・・ということで、ひさしぶりにちょっと欲しくなった。

 倍率が高いので暗いのは仕方がないが、その他のスペックを見ても悪くなさそうだし(EDレンズも使っている)、デザインもそこそこ気に入ったので、思いきって購入することにした。

 発売から1週間も経たない2月4日の時点で、調べたかぎりの在庫はAmazonの1点のみ。納期が明確な取り寄せの店で最短は3月中旬だった。

 好き嫌いと価格の関係でAmazonを見送ってヨドバシカメラで注文したが、その時点での納期は未定だった。
 Amazonでもほどなく売り切れ、ヨドバシからは途中で「6月中旬予定」と連絡がきてのけぞったのだが、結局3月15日に届いた。
 現在は、ヨドバシで「次回入荷は2025年9月頃を予定」と表示されている。いいものは高くても売れるのだ。

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 さて、いま愛用しているのはキヤノンの10倍防振双眼鏡だ。

 これはキヤノンのフラッグシップ機で、像のコントラストも高く、逆光性能も素晴らしく、色再現性もよく、像も安定していて視野も広く、ほとんど申し分ないのだが、いかんせん10倍で、しかも大きくて重い。

 それに、購入から20年近く経つので、この際、20倍!なのに より軽い双眼鏡を買ってもバチは当たるまい。
 とりあえず家人には内緒で買ったのだが、鳥友経由ですぐにバレた。それほど渋い顔をされなかったのは幸いである。

 細部に気になる点はあるものの、質感もよくてなかなか気に入った。

 ただ、あいにくの雨で、鳥見にはまだ持ち出せていないし、月も星も見られていない。

 それでも、高倍率のわりには、 飛んでいるカラスを追いかけるのも容易で、静止した対象を視野に入れるのも難しくない。
 防振スイッチを入れれば像はぴたりと安定する。

 気になるのは、ピント合わせがシビアなことだが、これは高倍率を考えると仕方がないか。
 一部の望遠鏡にあるように、微調整用のピントリングを加えてもよかったかもしれない。

 いわば、気軽に使える手持ちの望遠鏡を手に入れたようなもので、惰性の日常に小さな喝を入れていくれる存在になりそうだ。

 ちょっと驚いたのは、「もしかしてこれ、防振なしでもそこそこ使えるのでは?」と思ったこと。

 「防振なしの双眼鏡は10倍まで」と言い続けてきたが、20倍もアリかもしれない(信じないように ^^;)。

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2025.03.01

●iMac(2017)の macOS を High Sierra から Ventura へ

 「復旧サーバーに接続できませんでした」に悩まされている方のために、備忘録を兼ねて。
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 家人が使っている iMac でいろいろできないことが増えてきていた。
 今からいうと8年も前のパソコンなので、まあしかたがない。

 ソフトウェアアップデートを使って macOS をアップデートしようとしても何も表示されないので、我々の iPhone(6と7)同様、それ以上 OS のアップデートはできないのかと(漠然と)思っていた。

 不便だけれど、まあだいたいはふつうに使えるからと放置していたのだが、今日、いよいよ何とかできないかと相談されて調べてみると、なんと! Ventura までアップデートできることがわかった。

 Ventura なら、いま私が使っているのと同じ OS だ。まだ上に、Sonoma と Sequoia があるのだが、さすがにそこまでは無理らしい。
macOS 10.13 High Sierra
macOS 10.14 Mojave
macOS 10.15 Catalina
macOS 11      Big Sur
macOS 12      Monterey
macOS 13      Ventura
macOS 14      Sonoma
macOS 15      Sequoia
 一気に5段階上の Ventura まで行くのにも不安があるし、Mojave までなら古いアプリケーションの互換性があるということで、まずはそこからにしようかと最初は思った。

 ところが、App Store を使ってインストールアプリをダウンロードし、Mojave から Ventura まで、どれをインストールしようとしても、

 「復旧サーバーに接続できませんでした」

と表示されてインストールできない。

 その解決方法はネット上にいろいろあったので、一通り(terminal のコマンドラインまで動員して)やってみたのだが、どれもダメ。
(macOS のインストールアプリと、OSインストーラーのフルパッケージの区別すらついていない人までもが、「解決方法」のページを作っていたりして閉口した。)

 紆余曲折を経て解決した方法を以下に記す。

1.「option + command + R」キーを押しながら再起動する
2.地球儀マークの画面になる
3.ネットワークのパスワードを入れてインターネットにつなぐ(パスワードを設定している場合)
4.First Aid を利用してディスクを修復しておく(必須ではない)
5.あとは画面の指示にしたがって最新 OS をインストールする。

 この方法では、ネットを使って外部のサーバから OS をインストールすることになる。
 当初は2時間を超える時間が表示されたが(ネットと Mac のスピードに依存する)、結局は1時間あまりで完了した。

 なお、3の段階で、パスワードに "&" のような記号が含まれていたりすると、日本語キーボードを使っている場合はキーがずれていてうまくいかない。
 "&" を入れたければ隣の "'"(Shift+7)を押すことになる。面倒なので、予めネットにつなぐときのパスワード(Wi-Fiパスワードなど)を記号を使わないものに変更しておくといいかも。

 また、知らなかったのでいきなり Ventura になってしまったのだが、1の段階で押すキーによってインストーラの振る舞いが変わるらしい(以下はAppleのサイトからの引用(一部改変))。
Apple シリコン搭載以外のMacで
「command + R」キーを使って復旧から起動した場合は、直近でインストールされたmacOSの最新バージョンがインストールされます。
「option + command + R」キーを使った場合は、お使いのMacが対応している最新のmacOSがインストールされます。
「shift + option + command + R」キーを使った場合は、Macに当初搭載されていたmacOSか、それに一番近く現在も提供されているバージョンがインストールされます。
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 ともあれ、2017年の古い iMac も、無事 Ventura に更新され、速度等にも問題なく動くようになった。

 ブラウザ類やエディタなどのよく使うアプリケーションをすべて最新にし(High Sierra ではできなかった)、なぜか消えた ATOK を再インストール、私が使うときのために Google 日本語入力もインストールして完了。

 作成したデータ等には影響はないが、心配な場合はバックアップを取っておくことをお勧めする。

 昔はこういう作業に1日2日かかっていたものだが、結構苦労したとはいえ、数時間ですんだので良しとしなければなるまい。

 慣れない椅子と机と iMac に疲れたけど。

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