■コルクとの新たな出会い
ポルトガルに到着して車を走らせると、最初はずっと荒涼とした半砂漠のような風景が続いていた。
植わっている木はオリーブかブドウだけだと思っていたのだが、ガイドブックを読んでいた家人が「コルク樫も多い」と教えてくれた。
今でもワインの栓などでなじみ深い、あのコルクを採取する木である。
コルクには、幼稚園のころにはすでになじみがあった。
日本酒の瓶の蓋に使われていたコルクを削り取り、金属の蓋をおはじき代わりにして遊んだりしていたのである。
今でもときどき、ワインの栓のコルクを抜くのには苦労させられている。
にもかかわらず、今回旅行に来るまで、コルクとかコルク樫とかについては考えたこともなかった。
なんでも、コルクというのはコルク樫の樹皮を剥いで作るのだそうで、その樹皮は再生するため、昨今 はやりの持続可能性を備えているのだそうだ。
そして、驚いたことに、そのコルクで作った財布やカバンや帽子!などがそこここで大量に売られているのである。コルクは、ここポルトガルの特産品であるらしい。
コルクと言えばほとんど栓とかコースターしか知らなかったので、あらためて自分の無知を再確認した。
最初は、ドン・ルイス一世橋のたもとのドウロ川の岸辺の露店で、綺麗なデザインの小銭入れのようなものが1€で売られているのを見て、軽い気持ちで買った。
次の日、さまざまなコルクのカバンを見た中で、自分が使えそうなものとしてウエストポーチが気に入り、露店ではなくちょっと高級そうな土産物屋に、わざわざ戻って購入した。
そのときは別に何も期待していなかったのだが、店員が「皮革と同じくらいの耐久性があるし、皮革とは違って耐水性もある」と説明するので、「まあ、都合のいい売り文句だよな」と思いながら話半分で聞いていた。
でも、買ってから調べると、どうも実際にそのとおりのようなのだ。
皮革と同じくらいの耐久性??
まだ信じられないのだが、実際、ヴィーガンレザーとも呼ばれ、環境意識の高い人々に人気なのだという。
たまたま気に入って衝動買いしたようなものなので、なんだか得をしたような気分になった。
ただ、予想もしなかった問題点があった。
腰に回すベルトが長すぎ、いくら縮めてもフィットしないのだ。結局、これ以上は無理というところまで短くして、やっと何とか使えるくらいにはなった。それでも、まだかなり余裕がある。
いったい、どんなウエストを基準にしているのか。これが家人や息子だったら、まったく使いものにならなかったところだ。
ともあれ、皮革と同じ耐久性、皮革にはない耐水性・・・
信じて長く愛用したいと思う。
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