キカイに疎い家人の確定申告を一緒にやった。
___
「スマートフォンで確定申告ができます」
「確定申告はスマートフォンで」
「スマートフォンでの申告がさらに便利に!」
「e-Taxをご利用ください」
「e-Taxならこんないいこと」
国税庁のサイトでもテレビCMでもかまびすしく、税務署から送られてくる書類にもそう書いてある。
ところが・・・
マイナンバーカードが必要だし、iPhoneなら7以上が必要ということで、ハードルがかなり高い。
幸いクリアしているので、昨年度のデータの読み込みから始めると、まず「パソコンで保存したデータは利用できません」という先制パンチ。
マイナンバーカードを何度も読み取らせるのにも辟易する。
ただ、その甲斐あって、住所や氏名などが自動入力されたのにはちょっと感動した。
にもかかわらず、申告書作成画面では結局また手入力させられる。パソコンと違って入力が面倒だ。
さっき読み取ったデータは使わないのかよ !?
やりたかったのは譲渡損失の繰越が中心なのだが、どこまで入力しても譲渡所得も損失も入力できないまま、最後まで行ってしまって提出寸前になった。
間違ったことはしていない。が、どうしても譲渡所得が入力できそうにない。
ネットで調べると、なんと、譲渡所得(損失)がある人はそもそもスマホでは確定申告できないというのだ!
何だよそれ。
それでよく
「スマートフォンでの申告がさらに便利に!」
なんてバカなことを言うよなあ・・・
株でちょっと損を出したとか、その程度の人すら、スマホでは確定申告できないのである。
事業所得や不動産所得があってももちろんダメ。
利子・配当所得すらダメ。
それで、「スマートフォンでの申告がさらに便利に!」なったんだったら、これまではどれほど不便だったのか。
サラリーマンならふつうは職場で年末調整するから確定申告は不要だし、確定申告するような人は株の譲渡所得(損失)や配当所得などがある人が多いはずだ。
どんな狭い層をターゲットにしているのか。
___
さて、あきらめてパソコンでやろうとする。
今度は ICカードリーダーが必要だ。もちろんそんなものは持っていない。
パソコンにスマホをブルートゥース接続して ICカードリーダーとして使うことができるというので、それなら・・・とぬか喜びすると、iPhone にも Mac にも対応していないという。
Mac はともかく、日本にあるスマホの6割ほどが iPhone だというのに、どこまでやる気がないのか・・・
結局は、パソコンにしこしこと入力していき(去年のデータが使えたのは幸いだったが)、最後は紙に印刷してハンコまで押さなければならない。
河野さん、平井さん、何とかしてくださいよ。
さらには!
マイナンバーカードの裏表をコピーして、台紙に糊付けする必要がある。
ICチップのついたカードのコピーをハサミで切り取り、糊を塗って貼り付けたりしていると、情けないやら可笑しいやら腹立たしいやら、なんとも言えない気分になる。
うちにはマイナンバーカードも、その読み取りに対応したスマートフォンも、最新に近いパソコンもあるのである。それでもこれしか方法がないのだ。
申告書は8枚もある。これにまた、社会保険料控除と生命保険料控除(必要があれば小規模企業共済等掛金控除・地震保険料控除・寄附金控除関係など)の書類を糊付けして封筒に入れ、郵送しなければならない。
なんというバカバカしさだ。これが2021年の日本なのである。
仕方ない、郵送はやめて税務署で提出し、ついでに直接税務署員と対面して ID とパスワードを発行してもらおう(対面しないと発行してもらえないのだ)。
それでやっと、来年から e-Tax が可能になる。
それでもなお、スマートフォンでは申告できない! orz
最近のコメント