苦節?半世紀、とうとうちゃんとしたラジコンを手に入れた。
(いま初めて知ったんですが、「ラジコン」って登録商標なんですね。びっくり)
ここまでの道のりは長かった。
昭和生まれの少年にとって、(一般名詞としての)ラジコンは常に憧れの的であった。
最初に手に入れたのは、レフティRXというもの(任天堂だったんですね)。
ボタンを押すと直進、離すと「スリリングにカーブを切ります」(TVCM)という謳い文句だったが、要するに動力がなくなってスプリングの力でタイヤが左を向くだけ。
つまり、左折しかできない車である(だから lefty)。絶妙なタイミングで再度ボタンを押さないと、直角に曲がることすらむずかしい。
そして、すぐに電池がなくなって動かなくなるのだが、これも「充電は極めて簡単」という謳い文句に嘘はないものの、極めて長い時間がかかるたいへんなもので、イメージとしては、5分遊ぶと1時間は何もできないというシロモノであった(訂正:ネット情報によると、2〜3分遊んで同じくらいの充電時間だったようです)。
当時の価格で5千円くらいだったと記憶している。
今の物価だと5万円以上ではないだろうか。
デパートで大もめに揉めた挙げ句、「1台だとまた取り合いになってケンカばかりするから」という理由で兄の分と2台買ってもらったのだが、よくもまあ、買ってくれたものだと思う。
にもかかわらず、上記のような事情もあって、うれしかったのは最初だけ。それほど遊ばず放置することになったような気がする。
小学校高学年になると、「Uコン」というのがはやった。
これはエンジンを積んだ飛行機で、そこは本格的なのだが、何しろラジオコントロールではなく、主翼の端からワイヤー?を2本引っ張り、その端をU字型のコントローラーの先端に結びつけ、それを持った人間が円の中心にいて、そのワイヤーを半径(10メートル強か)として、人間がぐるぐると回りながら飛行機に円を描かせて飛ばすというものであった(おわかりになるだろうか?)。
それでも十分憧れの対象だったのだが、これはたぶん高価すぎて、親にせがむということもなく、中高生?が遊んでいるのを見学するという感じだった。
同級生もたしかひとりだけ持っていたのを覚えている。
・・・というような調子で半世紀の歴史を遡っていくととんでもないことになりそうなのでこの辺にしておくが、息子が生まれてからは、子どもをダシにして、(おそらく)車3台、戦車1台、飛行機1台、ヘリコプター1台のラジコンを経験した。
車と戦車はちゃんとしたラジコン(うち車1台と戦車はけっこうな大きさの本格派)なのだが、肝心の息子はそれほど興味を示さず、私自身もなにごとにも夢中になれない移り気かつ飽きっぽい性格なので、購入当時はそれなりに楽しんだものの、どれもそれきりになっている。
あ、車のラジコンについて書いたものは、このブログにもあるはずだ。
飛行機のほうは完全なオモチャで、飛ぶには飛ぶのだが、ちょっとした風でもすぐ流されてしまう。確か初飛行の日に、近所の低層マンションの屋根に乗ってしまったのを必死の思いで回収したのは覚えているが、にもかかわらず、その後遊んだ記憶がない。
ヘリコプターは、飛行機仲間の忘年会?の景品でいただいた。これも小さなオモチャだが、何しろヘリコプターなので操縦がむずかしく、結局は一度もまともに飛ばなかったと思う。
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前置きが長くなった。
苦節?半世紀、とうとうちゃんとした「ラジコン」を手に入れたのである。
もはやだれもラジコンとは呼ばないが、幼いころから憧れたラジコンの究極形であることは間違いない。
そう、ドローンというやつだ。
DJI Mini 2 という、この11月に発売された最新機種。やや値は張るが、買う気が失せるほどではない。その素晴らしさはとてもここでは書き切れないので、メーカーの宣伝を見てほしい。
これが、あの「レフティRX」と(物価を考えれば)それほど変わらない値段だというのはすごい。まあ半世紀近い時間が流れているのだから当然か。
相変わらず短い時間(15分ほど?)しか遊べず、すぐに充電が必要になるのだが、初めから電池が3本ついてくるセットがあるのもありがたい。
iPhoneに代表されるスマートフォンの使用が大前提になっていて、持っていなければそもそも飛ばせないのだが、それにも逆に感心した。
スマートフォンの可能性をこんなふうに広げるなんて。
あと、買ってからわかったのだが、これはむしろ、ラジコン飛行機というよりは、コンピュータ制御の空撮用カメラである。
ちょうど、iPhoneが、電話というよりはむしろ、コンピュータ付きカメラであるように。
(それにしても、みんなカメラが好きなんだなあ・・・)
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結局手に入れることのなかった、そしておそらくこれから一生手に入れることもない、本格的なラジコン飛行機は、そもそも初心者は飛ばすことすらできない。
離陸させて空中で種々の機動をさせることならなんとか可能かもしれないが、上手に着陸できなければ、初飛行が最終飛行になってしまうからである。
ドローンもそうなるのではないかと、ひそかに恐れていた。
墜落して壊れると、6万円である。
壊れたら安く交換してくれるという1年保険が6160円で用意されているが、入っていない。
しかし、それなりに手のかかる理解と手続きを経て、リビングでの初飛行を終えるころには、これなら大丈夫だと安心した(のを後悔しないことを祈る)。
なにしろ、
1.自動で離着陸できるし
2.何も操作しなければ、同じ場所でホバリングを続けているし
3.まったくの初心者でも操縦は驚くほど簡単
なのだ。
何という夢のような飛行機・・・
ただ、これでは操縦の楽しみというものがそれほどないのではないかとも思ったが、なあに、これは飛行機ではなく空撮用カメラなのである。
カメラとしての楽しみは、けっこうありそうだ。
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とはいえ、なにごとにも夢中になれない移り気かつ飽きっぽい性格・・・
苦節半世紀、理想に近いドローンを手に入れても、それは変わらないだろう ^^;
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