2020.06.19

◆コロナとの共存?

 感染がピークを越えたころから、マスコミが盛んに「コロナとの共存」とか「ウィズ コロナ」とか言いはじめた。
(あ、どうでもいいけど、と言いながら気になっているのだが、「共存」は「きょうそん」と読んでほしい。「存在」なんだから。
 「きょうぞん」だと、ふつうの辞書の見出し語にはなってないはずだと思うんだけど、ほとんどのアナウンサーがそう読んでいるようだ。)

 「共生」とか言わないだけマシかもしれないが、もっとほかにいい言い方はないのだろうか。

 だれがこんな厄介なウイルスと「共存」したいと思うだろう?

 まして、With Corona ??、それじゃあまるで「コロナとともに」じゃないか。

 哲学的な生物学者たちが、人類は昔から種々のウイルスと共存してきた・・・などと言っているのは知っているし、それは事実なのだろう。
 生物学的な意味でも歴史社会学的な意味でもウイルス抜きで現在の人類はありえない・・・とか言われれば、それもそうかもしれない。

 でもたとえば、(ウイルスではないが)ペストの流行がルネサンスをもたらしたとか、最近になって?巷間よく言われるようになった例でも、ペストに悩まされた、まして死んでしまった人たちにしてみれば、ルネサンスなんて来なくてもいいから、ペストなどない方がよかったに決まっている。
 人類史的に見て、ペストの流行が中世を終わらせたことにいくばくかの功があるとしても、別にペストがなくたって、別の形でルネサンスも近代も訪れたはずである。

 ともかく、この忌まわしいウイルスと「共存」するとか、ましてともに連れだっていこうとか、そういうニュアンスから逃れられない表現はぜひ避けて、知恵を絞ってもっとふさわしい表現をマスコミは探してほしい。

 ・・・というだけでは無責任なので、数十秒ほど頭を振り絞ってみたが、とりあえず「腐れ縁」という言葉しか思い浮かばなかった。
 「コロナとの腐れ縁」
 美しい表現ではないが、もともと、「共存」なんていうような美しいものではないのである。

 もう少し考えて、ぜひ適切な表現を見つけてほしい。

 後記:シソーラス(類語検索辞典)を調べてみると、「悪縁」「宿縁」が見つかった。特に後者なんか候補としてどうだろう? ダメかな。

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2020.05.23

■macOS Catalina と Novel Coronavirus によせて

 先日、遅まきながらメインマシンである MacBook Air の OS を 10.15 Catalina にした。

 Catalina にすると、いよいよ 32 bit のアプリケーションがまったく使えなくなるため、しばらく見送っていたのだ。
 その中でも、ATOK と ScanSnap は痛い。その2つを新しくし、その他にはなんとか目をつぶって、とうとうアップデートした。

 理由の一つは、iPad を2画面目のモニタとして使うには Catalina が必要だとわかったことだ。

 できて当然、だれもが想定するだろうことが、やっとできるようになったのである。
 ただ、実際に ZOOM(ビデオ会議用ソフト)を使いながらやってみると、MacBook Air の負荷が大きく、無音が美点のノートパソコンのファンが唸りを上げ、うるさくなって熱を持つので、ちょっと常用に耐えない気がしている。

 それはともかく・・・

 macOS Catalina の名前の由来と、そのデスクトップピクチャが、カリフォルニア州ロサンゼルス沖のサンタ・カタリナ島であることは知っていた。
 パソコンの画面写真を見ると、島というよりは、海から突き出た岩山である。どう見ても無人島に見える。

 初めて島の姿を知って、ふと、こんなところに空港があるのだろうか、という疑問がわいた。
 ___

 さて、タイトルをお読みになって、macOS Catalina と 新型コロナウイルスに何の関係があるのかと訝しくお思いになったかもしれない。

 先日、尊敬する先輩と山道を歩いていて、コロナ差別が話題になり、「そういえば、そのものズバリ、「コロナ」というトヨタの車がありましたよね」という話になった。

 うちの父親が初めて手に入れた車がコロナであり、私にとっても初めての自家用車(とはいっても運転したことはない)だというのに、その時まで、コロナ(車)のことを忘れていた。
 むしろ、「トヨタのカローラ(車・花冠)の語源はコロナ(ウイルス)と同じだよなあ」とか思っていた。どうしてコロナ(車)のことを思い出さなかったのか不思議でならない。

 そして、Catalina に触発されて、忘れるはずのないもう一つのコロナを思い出した。カリフォルニア州のコロナ市にある空港である。
 アメリカで飛行機免許を取ったとき、もっとも離着陸回数の多かった空港が、このコロナ空港だった。燃料も、いつもここで入れていた。

 本拠地は少し北のチノ空港だったのだが、コロナはノンタワー(管制塔なし)のいわば野良空港なので、気軽に使えて便利なせいか、よく訓練に利用していた。
 Catalina という名前がその時のことを想起させ、「そうそう、あれもコロナじゃないか」と思い出したのだ。

 なぜ、Catalina がコロナを思い出させるのか。

 それは、Catalina 空港と Corona 空港で使われる航空無線の周波数が同じで、距離もそれほど遠くない(いま調べると100kmくらいだ)ことから、Corona で飛んでいると Catalina の無線が聞こえてくるからである。

 こちらが "Cessna 77R now on final, runway 25 Corona"(セスナ77Rは現在コロナ空港滑走路25に向けてファイナルアプローチ中)などと言っていると、同じように、"Cirrus 55T now on final, runway 22 Catalina" のような無線が入る。

 "Runway 25 Corona" や "Runway 22 Catalina" は、ファイナルに限らず、何度もレポートされるので、今でもはっきりと耳に残っている。

 ・・・といいつつ、Santa Catalina 島の写真を見て、「こんな岩山のどこに空港が・・・」と思うまでは、Corona(空港)のことはすっかり忘れてしまっていた。

 オーストラリア人のコロナ君がその名前のせいでいじめに遭っていて、新型コロナ感染症にかかったトム・ハンクスが、コロナ君からお見舞いにもらった手紙に返事を書いたというのは有名な話だが、カリフォルニア州のコロナ市も、町ごと差別されたりしていなければいいんだけれど(まさかね。でも、からかいの対象とかにはなっているような気がする)。

 コロナ(車)もコロナ(空港)も、忘れるはずのない思い出深いものなのだが、これだけコロナが騒ぎになってもすっかり忘れていたのが不思議だ。
 もちろん、いったん思い出すと、思い出は後から後からいくらでも湧いてくる。

 オーストラリア人でなくても、今どきのことだから、日本人にだってコロナ君とかコロナちゃんはいるかもしれない。
 いま、新しい ATOK で変換したら、胡呂那と頃奈が出た。おそらくは人名ではなかろうか。

 願わくは、再開した学校で、コロナ君/ちゃんがいじめられたりしないことを。
 そして、あらゆる誹謗中傷や差別がなくならんことを。

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2020.05.12

■アベノマスク

「うちのおかんがな、ポストに覚えのないマスクが入っとった言うねん」

「それはアベノマスクやな。大阪でも配りはじめるてニュースで言うとったがな」

「それがな、おかんが言うにはな、ポストに1つしか入ってなかった、言うねん」

「ほな、アベノマスクとちゃうなあ。アベノマスクはどの家にもぜんぶ2枚ずつ配るはずやからなあ」

「そやろ。そやけどな、おかんが言うにはな、その1つの中に2枚入っとった言うねん」

「ほなやっぱり、アベノマスクやがな。1つの家庭に2枚ずつ配るのがアベノマスクやからな」

「それがな、おかんが言うにはな、マスクしてみたらちょうどええ大きさやって言うねん」

「ほな、アベノマスクとちゃうなあ。安倍さんがしてるの見てたら、マスクは小さめのはずやからなあ」

「ところがな、おかんが言うにはな、洗濯したら縮んで小さなってもたらしいねん」

「ほなやっぱり、アベノマスクやがな。アベノマスクは布でできてるから、注意して洗濯せな縮んでまうねん」

「それがな、おかんが言うにはな・・・」


 だんだん面倒になってきたのでこの辺で。

 もう街にはマスクが溢れているのに、もちろん、うちにはまだ届いていません・・・

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2020.05.10

■ BDⅡ32-6.5XD(KOWA)購入 ──何度目かの双眼狂

 ひさしぶりに双眼鏡のご質問をいただき、また別の方からもお尋ねがあり、それらに答えるためにネットでいろいろ見ているうちに、何度目かの双眼鏡熱が再燃した。
 新型コロナ熱ではなくて幸いである。

 iPhone なんかと比べると進歩の少ない世界ではあるが、それでもやはり、知らないうちにいくつかの双眼鏡が発売されている。
 今回特に目をひいたのは、アベノマスクで変な脚光を浴びてしまったあの KOWA から、定番の名器 BD シリーズの新型 BDII と、究極のコストパフォーマンスモデル YF シリーズの新型 YFII が発売されていたことである。
 前者は発売後半年程度、後者はまだ先月発売されたばかりだ(なんとも悪いタイミングだが)。

 YF30-8 を5か月前に買ったばかりだし、色以外にほとんど変更はなく、実売価格は倍くらいになっているので、YFII にはまったく食指は動かなかった。
 問題は BDII のほうである。

 BDII32-8XD(口径32mmで8倍)は、旧型に比べて視野が30%も広くなったという。実視界が8.8度と、あの 8x30E II(Nikon)と同じなのである! 最短合焦距離が1.3mというも非常に魅力的だ。YFII30-8 は5mなので、近くのものは見られない。

 KOWA の BD は、以前から名器として名高く(もちろん、同社の GENESIS のほうがいいのだが、金額的に買う気になれない)、非常に気になっていた機種だ。
 8倍もいいのだが、今回新発売の6.5倍がより気になった。こちらはなんと、実視界10度。かつて、8x30E II を覗かせていただいたときの感動が脳裏に甦る。まさか、あれを超えているのか?

 とはいえ、双眼鏡は売るほど家にある。YF と違ってそれほど安くもない。夜中まで悩み、2時過ぎにはいったん保留して寝ようとした。

 しかし、やはりというか、
・全国最安値のお店で使える1000円クーポンが手に入った
・キャッシュレス5%還元対象の店である
そして何より
・ひとり暮らしを始めた息子が先日1台持っていった
ことが背中を押して、まあ、その代わりに買っても罰は当たらないだろうということで、3時前にポチッとしてしまった。

 BDⅡ32-6.5XD(KOWA:口径32mmで6.5倍)は、その日のうちに出荷され、店舗は北海道だが、2日後には手元に届いた。製造は中国だし、無駄な輸送には胸が痛むが仕方ない。

 早速、いろんな双眼鏡を取っ替え引っ替えしてあちこちを眺める。

 低倍率の広視界はやはり素晴らしい。
 ただ、8x30E II のような感動はなかった。それが私の側の問題なのか、双眼鏡の問題なのかはわからない。「広く感じる」のは実視界よりも見かけ視界が効くはずなので、だとすると8倍を買ってもよかったかなあ・・・とちょっと思った。

 意外だったのは、いつも愛用している防振双眼鏡、10x42 L IS WP(Canon)の素晴らしさを再認識したことである。BDII と比べると、完全に別世界だ。まあ、価格が4倍くらいする防振、しかも10倍機なのだから当然なのかもしれないが。

 もちろん、BDII が悪いわけではない。実売価格以上の高級感があるし、使い勝手もよく、光学性能も概ね期待通りだ。
 ただ一つ、欠点があるとすれば、周辺視野がシャープさに欠けることである。驚くことに、同じ KOWA の1/5以下の価格の YF30-8 と比べても、はっきりとわかるほど甘い。
 フィールドフラットナーレンズを使っていないダハプリズム双眼鏡(円筒をふたつ並べたような形)の宿命なのかもしれないが、購入前に調べた範囲ではそのことに触れた情報はなかった(購入後には出てくるから皮肉なものである)。

 しかし、私は周辺像の甘さには寛大だ。そもそも、人間の眼自体、くっきりと見えるのは中心部だけであり、その角度はわずか5度程度だという。
 したがって、素直に双眼鏡を覗いていれば、周辺視野のボケなどにはそもそも気づかない。レンズものにうるさい人たちが意地悪くチェックすればすぐにわかるのだが、そういう人たちだって、ふつうに使っている分には気にならないレベルだろう。
 もっとも、星見を中心にする人は、「周辺の星が流れる」ことを嫌がる傾向にあるので、星見にはちょっと向かない可能性はある。せっかくの低倍率広視界の双眼鏡なので、個人的には星を見るのに使うことも考えていたのだが、昨日今日とあいにくの曇り空で、明日の夜まで試せそうにない。

 さて、この BDII をひと様にお勧めするか。
 価格が気にならないのなら、十分お勧めできる。

 しかし、同じメーカーの YF30-8 の実売価格が1/5以下であることを考えれば、ふつうはそちらを購入なさることを勧めるだろう(新型の YFII30-8 は、現在の実売価格が旧型の2倍くらいになっています。それでも安いのですが、今なら性能の変わらない旧型を買った方がお得です。新型は、 KOWA ファンから非難囂々だった色(黒地に赤の差し色)をやめて、他の製品と統一感のある緑になったので、そのことを評価する向きもいらっしゃるとは思います)。
 欠点は、5m未満にピントが合わないことくらいである。ポロプリズム機(昔ながらの双眼鏡的な形)なので、BDII よりも対象が立体的に見える美点もある。

 博物館や美術館で近くから双眼鏡で鑑賞したいとか、虫や花を積極的に観察したいとかでなければ、素直にお勧めできるのは YF だ。
 KOWA は、どうしてこんなにコストパフォーマンスの高い双眼鏡を販売してしまったんだろう?
 他の双眼鏡が売れなくなってしまわないか、いらぬ心配をしてしまう。

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2020.05.06

■はじめて買う低コスト双眼鏡

 実にひさしぶりに双眼鏡に関するご質問をいただきました。

 最初に記事を書いてから15年!あまり、需要が少なく儲けも少なく、したがって進歩も少ない双眼鏡ですが、さすがに「ひと昔」感はあります。

 この間に一番大きく変わったのは、防振双眼鏡の地位が上がった(それに伴い選択肢が増えた)ことと、いわゆる「価格破壊」が起こったことでしょうか。

 15年前には、間違っても7千円以下の双眼鏡はお求めにならないようにと書きましたが、今なら実質7千円程度で買える素晴らしい双眼鏡(YF30-8)も(たぶん)2011年に発売されました(発売当初はそんなに安くはなかったでしょうが)。

 このような状況を踏まえ、ごく低価格(いちばん高価なものでも1万5千円未満)で購入できる双眼鏡のリストを作成しました。

 おもに、はじめて「まともな」双眼鏡を購入なさる方が対象です。

 とはいえ、いちおうはベテランである私も、YF30-8 と 遊 4x10D CF は実際に購入して使用しております。
 特に前者は、3万円5万円の「ふつうの」双眼鏡をお考えなら、それをやめて買うくらいの価値はあります。なにしろ、1万円未満で同等の(としか思えない)性能が手に入るのですから。

 ただ、残念ながら、防振(手振れ防止機能付き)双眼鏡はこの価格帯にはありません。

 低価格防振ですと、5万円前後で売られている 8x20 IS や 10x30 IS II(いずれもキヤノン)がお勧めです。ただ、前者はリチウム電池 CR123A ×1を使用しますので、ランニングコストがかかりそうです。後者なら充電式の単三電池 ×2が使用可能です。
 すでに製造を終了している 8x25 IS(キヤノン)も3万円程度でまだ販売されていますが、これも電池は CR123A です。それほど頻繁にお使いにならないのなら、在庫のあるうちにお求めになるのも一案かもしれません(もちろん、予算に余裕があれば、新製品の 8x20 IS でも)。

 さて、いよいよ本題、「はじめて買う低コスト双眼鏡」のリストです。

 残念ながら?お勧めトップの YF30-8(KOWA)は、先月!YFII30-8 に衣替えし、その新型は現在の実売価格が旧型の倍くらいになっています(それでも1万5千円未満ですが)。

 変更点は、ほぼ色のみです。
 それ以外に、3000円以上するアダプタを使えば三脚が使用可能(プラス、5000円以上する別のアダプタを使えるスマートフォンを持っていれば写真撮影も可能(三脚を使用しないなら旧型でも一応は可能です))になっていますが、対応するスマホを持っていて写真撮影を重視するという方を除けば、それほど意味があるとは思えません。

 色にこだわりのある方(ベテランはこだわるでしょうね・・・)以外は、在庫のあるうちに旧型を買うことをお勧めいたします。
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・オールラウンド:YF30-8(KOWA)
           欠点は最短合焦距離5m。6倍のもあります。

・小型軽量:SV25-8(KOWA)
        コンサート・観劇などにもお勧め。
        10倍のもあります。
     :UP 8x25 WP(ペンタックス)
        同上。10倍のもあります。
     :UP 8x21(ペンタックス)
        子ども用・眼鏡不可

・超小型軽量:遊 4x10D CF(ニコン)
         博物館・美術館などにお勧め。おしゃれ?

・超近距離:Papilio II 6.5x21(ペンタックス)
        花や虫の観察にお勧め。8.5倍のもあります。

・天体(星)観察:BK-7050(ミザール)

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2020.05.02

■いきなりの初夏 ──近況のご報告

 「うわっ、もう5月だ」と思ったのが昨日。

 夜にはニュースで「熱中症にご注意ください」とか言っていて、4月30日の晩は冬用のパジャマに羽毛布団、上から毛布まで掛けて寝たのに、いきなり熱中症なのか、と驚いた。
 確かに、1日の昼に買い物に出たときにはすでに、夏の格好でも汗ばむほどであった。

 ちょうど5月1日から初夏で、わかりやすくていいんだけれど。
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 4月中に何か一つくらいは書かなければと思っていたのだが、とうとう飛ばしてしまった。
 このブログを始めてから16年あまりで、おそらくは初めてのことである。

 桜だって、見にいったのは1回だけだ。
 3月の下旬には紀伊半島や四国南部まで桜を迎えにいき、その後4月中旬の京北まで、ほとんど毎週のように花見をするのが通例になっていたのに、今年はできなかった。

 今だって、本来なら、東北のどこかの道の駅で車中泊をしているか、当日見つけた安宿でくつろいでいるかのいずれかであったはずだ。
 今年は早かったからどうかわからないが、年によっては平地でも、たとえば八郎潟や角館や弘前などの桜がみごとだし、山に登れば確実に満開の桜に出会える。
 そうして、「今年の桜」に別れを告げるのが恒例になっていた。

 思えば、2011年に加え、2015年からは5年連続で、ゴールデンウィークは東北に出かけていた。その記録?がこんなことで途切れるとは、もちろん、予想だにしていなかった。
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 4月はご多分にもれずてんやわんやではあったが、例年の年度初めに比べて特に忙しかったという実感はない。
 ただ、ルーティーンではないことが多かったので、いろいろとばたばたしていたような気はする。

 まあ、何であっても慣れないことをするのは新鮮で楽しいので、特に負担は感じなかった。
 基本的にすこぶる面倒くさがり屋でものぐさなのだが、新しい経験ならいちおうは歓迎である。

 困ったことといえば、ただでさえふだんから多いメールの数がさらに増えたことくらい。ときどきは職場のサーバにつながらないレベルで増えた。
 イレギュラーなことばかりなので、いろんな部署から種々のメールが雨あられと届くのだが、そもそも読む必要があるのか見極めるだけでも → 読むだけでも → 返信するだけでも → それで仕事が増えればなおさら・・・という感じで、例年ならやらない仕事量はたしかに増えた。

 一方で、この1か月で職場に出たのはせいぜい3〜4回なのだが、それでほとんど何の不自由もない。

 なあんだ、そもそも仕事になんて行かなくてもよかったんじゃないか、というくらいのものである。

 連休明けにはこの状態は解消するか・・・という感じで始まった新年度だったが、もはや夏まではこれが続くことが決まり、新たな日常をデザイン(すみません、ちょっと使ってみたかっただけです)しなければならなくなってしまった。

 息子がいなくなって微妙なバランスが崩れたところへ、夫婦2人ともほとんど在宅みたいになったので、老後の予行演習みたいなところがある。
 なんだかんだ言っても、いつもとは違うストレスも(気づかなくても)抱えているだろうし、世間でコロナDVやらコロナ離婚やらが取り沙汰されているのも故なしとしない。

 意識して気をつけなければと思う。
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 某地方公共団体に勤めはじめた息子は、お蔭さまで上司や同僚にも恵まれ、わけがわからないままとりあえずやってみなさいとの指導方針の下、意味のわからない単純作業にいそしんでいる(らしい)。
 私と同じく、じっくりと頭を使うのがきらいで、単純作業ならいくらでもやっていられるというタイプなので、ぜんぜん苦にならないようだ。

 食事のことを心配していたが、地下の安物の職員食堂が「どっちゃうまい」と喜んでいて、しかも昼休みですら混んでいないらしく(そんなことがありうるのか)、ひと安心である。
 顎はまだまだ元通りとはいかないが、もうふつうのものは食べられるようになっている。今日はカナダ産のポークフィレ(安い!)カツをがつがつと食べていた。
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 たいへんな思いをしていらっしゃる方々も多い中、桜が見られなかったり東北に行けなかったりするくらいのことで、なんだか申し訳ない限りである。

 ・・・ただ、私が生涯でたった3回、ひとなみに投資を始めたタイミングで、3回とも!、バブル崩壊・リーマンショック・コロナショックと、すべてたいへんな目に遭っている(しかもその都度、損失が増大している)ことに免じてお許しいただければと思う(違うか)。

 それはそれとして、いろんなことでお困りの皆さまには、ほんとうに心よりお見舞い申し上げます。

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2020.03.29

●縁

 息子が就職してひとり暮らしを始める。

 わりと近くだし、荷物も多くないので、引っ越しという感じではない。

 それでも、それなりに運ぶものはもちろんある。大物としては、新しく購入した組み立て式のテーブルと、家にあったタンスだ。
 ものを運ぶのに適した車は持っていないので、一度に運ぶことができない。
 それどころか、テーブルもタンスも、あと数センチ大きかったら単独でも運べない大きさであった。

 ともあれ、自分たちで運べないものはなかったので、何度か往復することになった。

 そうすると、向こうで外食することになり、最初はサイゼリヤ、3回目はコンビニで買ったおにぎりだったが、おいしそうなレストランも調べて、出かけてみた。

 見つけたのはフレンチとイタリアンが2つずつ。
 そのうち1つずつにはまだ行っていないが、フレンチのほうはもう予約した。
 あと、意外にも、高級な和食の店がひとつあった(もちろんまだだ)。

 田舎なので、いい店がそんなにあるわけではない。
 市役所を辞めなければ、息子は今後数十年にわたって近辺に住むことになるので、私たち夫婦にも、また同じ店を訪れる機会があるだろう。
 イタリアンにはたまに、フレンチにも何回かは行くことになると思う。
 もし結婚するとか言い出したら、高級和食か(笑)
 ___

 これまでに行った2つの店は、どちらも感じのいい店であった。
 フレンチはご夫婦と息子さん?で、イタリアンは一人でやっていらした。

 息子がこの市に就職することがなければ、まず絶対に来なかった店である。
 受験したきっかけはひょんな偶然だし、(おそらく)のべ30以上の市町村!を受けて、唯一合格したのがこの市なのだ。

 料理をいただきながら、「こんなことでもなければ、この店には一生こなかっただろうなあ」というようなことばかり考えていた。

 いやほんとに、たとえばパリの裏街にある小さなビストロとかの方が、この店に来る可能性よりはよほど高かったと思う。
 それでも、現実にこの店に来たのだ。
 そして、これからもたぶん、たまには行くことになる。

 縁というほどの縁ではないのだが、こういうことがあると、これまでにいただいた縁というものをあらためて考えさせられることになった。

 私のような者でも、いくつかは素晴らしいご縁に恵まれてきているのだ。

 ♪縁ある人 万里の 道を越えて 引き合うもの
 ♪縁なき人 顔を合わせ すべもなく すれ違う

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2020.03.17

●親離れ子離れの春

 ご無沙汰しております。

「マクロに見れば」、新型コロナウイルスよりも経済的ダメージの方が大問題となりそうな(すでになっている)2019年度末です。

 息子は相変わらず、左右の頬にドングリをためこんだリスのような顔をしていますが、少しずつ食べられるものも増えてきて、年度が明けて就職するころには、まずまずふつうの生活ができるようになっていることと思います。

 今日は何とか、時間をかけてラーメンと餃子を完食しました。
 ひとごとながらご休心ください。

 その息子ですが、就職先に家から通うと2時間かかる、8時30分に始業らしいので15分までに着こうとすると家を出るのが6時15分、出るまで時間がかかるタイプなので起きるのは5時すぎ・・・ということで、職場の近くでひとり暮らしを始めることになりました。
 もっとも、面接の時に「必ずここに住んで地域に奉仕します!」みたいなことを言っているらしいので、いずれにせよ公約?違反にならないためにもそうする必要がありました。

 ふと思ったのですが、地方自治体の職員というのは、ほとんどが当該自治体に居住しているのでしょうか。
 それで仕事は身近になる反面、視野が狭くなりすぎたりしないのだろうかとちょっと心配になります。

 以前、知り合いの複数の市役所職員が、電話番号を他人に伝えるときに市外局番を言わない、場所を小学校区で表現する、という、他市に居住する者から見るとびっくりする習慣があるのに接し、大丈夫か?と思ったのを思い出しました。

 生まれてからずっとその市に住んでいる、卒業した大学すら市内にある・・・みたいな職員がけっこういるのですが、そういう環境ならなおさら、意識して視野を外に向けないといけませんよね。

 それはともかく・・・

 大学院を修了してから2年も就職浪人をしていたので、息子ももはや20代後半です。
 過保護な親と依存心の強い息子の組み合わせですが、やっと半強制的に親離れ子離れのできる状態になりました。

 「採用試験に最終合格」したものの、内定が出るのが遅くて出遅れたせいもあり、どうなることかと思いましたが、比較的新しくてきれいな最後の物件(1K)をぎりぎりでおさえることができ、8時に家を出れば余裕で間に合う状態になりました。

 電器製品の品不足を危惧していましたが、まず電子レンジを購入し、なんとか冷蔵庫と洗濯機も手配して、月末にはひとり暮らしを始め、4月1日から地方公務員として勤務を開始することになります。

 生まれてから現在までの全体はとても短く感じますが、就職浪人の2年間は先の見えない長い日々が続いていました。

 世の中はたいへんな状況ながら、野山や街角にも種々の花が咲き始め、いつものように春がやってきます。
 ニュースに接しなければ、ごくありふれた春です。

 しかし、われわれにとっては、四半世紀以上ぶりの親離れ子離れの春となります。

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2020.02.09

◆息子が退院しました

 お蔭さまで息子が退院しました。

 まだ碌に口もきけず、腫れで下ぶくれ状態、食べられるのはせいぜいお粥やシチュー(肉抜き)という状況ですが、いたって元気です。

 ・・・と書いたところで、風呂場から呼び出されました。四肢や背中に薬疹と思われる発疹が出ています。

 私も痛み止めの湿布で薬疹が出て、ステロイドの内服薬を飲み始めたところでした。

 調べた資料には「成人後に後天的に獲得され、家族内発症はほとんどなく、(非ステロイド性抗炎症薬)不耐症獲得の機序は不明である」とあり、体質が遺伝しているというのではなく、息子の原因は別、あるいは、原因は同じでも発症は偶然かもしれません。

 私自身、この2週間ほどの間に予防接種・整形外科・内科・眼科・皮膚科とハシゴしつつ、入院している母親と息子を見舞っていて、なんだか病院が生活の一部になってしまっています。

 この状態が早く終息することを祈っております。

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2020.01.31

■入院・手術は月初めに

 歯列矯正の仕上げ?に、上下の顎の骨を切ってつなぎ直すという大がかりな手術を、息子が受けた。

 前日には麻酔科に呼ばれ、全身麻酔で死ぬ可能性について納得した上で、同意書にサインを迫られる。

 いや別に実際「迫られ」たわけではないが、ここまで来てから説明されても、今さら手術しない選択肢はない。

 知人から教えてもらってはいたのだが、手術後は聞きしにまさる悲惨さである。

 当初は、よだれまじりの血が流れ放題(大げさ)、鼻にチューブを入れられて酸素マスクを装着し、手には点滴、トイレにも行けず導尿されている。

 それらが外れても、下半分を中心に顔が腫れ上がった、見るも無惨な痛々しい様相で、ジュース状の食物を注射器で口中に入れるような生活がしばらく続くそうだ。
 腫れが「それなりに」ひいてまともに食事ができるようになるには2〜3か月、完治には年単位の歳月を要するという。

 さらに、手術中に使った薬が眼に入って炎症を起こしているとかで、そんな状態の息子を明日は別の病院の眼科に連れて行かねばならない。
 ___

 それはともかく。

 今回の入院で一つ大失敗したのは、月末に入院・手術を設定したことである。

 入院時に「高額療養費制度」の説明を受け、「ああ、そうだった!」と思い出した。

 仕事関係の会合で「そんな愚かな制度があるんだったら、入院や手術は月初めに限りますね」とか言いながら笑い合っていたのを完全に忘れていた。

 知っていたのに忘れて大損するとは・・・

 みなさまは、今後のためにぜひ覚えておいて、けっして忘れないでください。

 高額療養費制度は、暦月1か月間に私たちが支払う医療費に上限を設けるものだ。一般的な中年以上のサラリーマンなら、だいたい10万円くらいが毎月の医療費支払いの上限になる。

 問題は、それが「暦月1か月」単位だということである。

 息子は2週間程度の入院を予定しているが、これが2月1日からなら、手術や入院に何百万円かかろうと、支払いは10万円程度ですむ。

 ところが、実際には1月末に入院して手術を終えたので、1月分の支払いが10万円、2週間近く入院する2月分の支払いも10万円・・・つごう20万円の支払いになってしまう。

 支払いは倍! 差は10万円!

 受ける治療はまっっったく同じなのに、入院・手術する日が2〜3日違うだけでそうなるのだ。もちろん、1日でもそうなる可能性がある。
 こんな馬鹿な制度設計があるだろうか。

 いつも思うのだが、こういう愚かな制度を作る連中は、なんのために東大を出たんだろう?

 もちろん、急な怪我や病気で入院・手術になる場合に選択の余地はない。
 だが、今回の息子のようなケースでは、少し日程をずらすだけで費用は半額、10万円の節約になる。

 うちは失敗しましたので、みなさまは忘れないでくださいね。

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