2024.09.09

■ポルトガル ドライブ旅行事情

 ポルトガルのドライブ旅行で心配したのは、高速道路料金の支払い方法と駐車場所の確保とだった。
 案ずるより産むが易し、ほとんどというか、結果としてはまったく問題なかったのだが、これから旅行しようという方のために、簡単に記しておく。

 まず、高速料金についてはまったく心配ない。

 ポルトガルのレンタカーには Via Verde(直訳すれば「緑経由」)というシステムの搭載が義務付けられているそうで(その機器利用料を貸出時に請求される)、料金ゲートのあるところでは左側に1〜3つ程度ある、緑の「V」マークが書かれた車線を60km/h以下で走行すると、自動的に料金が計上され、レンタカー会社に請求されるようになっている。日本のETCにあるようなバーはない。
 また、北部を中心に、ゲートもなく減速の必要もなく、ふつうに本車線上を走っているだけで請求されるシステムもある。
 車を返却したときに、どの地点でいくら払ったかの一覧をレンタカー会社からもらったが、ゲートのあるなしでは区別されずに、ずらっと時系列に並んでいた。その合計額をレンタカー会社にクレジットカードで支払うのだが、返却日に近い請求はまだレンタカー会社に届いておらず、後から別に請求されることになる点には留意する必要がある。

 スペインでは、ふつうの料金所の係員がいる(人の絵のアイコンがある)レーンに向かい、クレジットカードで支払った。無人のブースしかない料金所もあったが、クレカで大丈夫だった。

 次に駐車について。

 これは、「ほとんど」心配ない。

 ポルトガルは、路上駐車天国というか地獄というか、基本的に道路はほとんど駐車場である(笑)
 駐車禁止のところには、比較的わかりやすく黄色の表示があるので駐めてはいけない。
 それ以外に、Pマークがあっても、Residentes(居住者)の単語には注意したい。そこに住んでいる人用で、観光客は駐められない。典型的には、Estacionamento Reservado a Residentes(Parking Reserved for Residents)と表記されている。

 一部にパーキングメーター的な、お金を払って出てきたチケットをダッシュボードに置いておくタイプがある。Pの看板の下に pago とあればそれだ。一度だけ、マフラ宮殿の駐車場で使ったが、1€で1時間半駐めることができた。故障してそうな機械が多いし、コインが必要なのでご注意を。
 また、結果的にどうなるのかは知らないが、どこでも、払っていない車が大多数のようだった。

 ここまで読んで心配になった方も多いかと思うが、基本的には上記に書いた以上に楽だ。
 ポルトガルの観光名所の街は、多く城壁に囲まれていたりして、城壁内は歩いて観光できる程度の大きさがほとんどなのだが、その城壁のすぐ外に、広大な無料の駐車場が確保されている場合が多い。
 狭い村なんかだと、広大とまでは言えなくても、なんとか観光客の駐車を捌けるほどの台数はだいたい確保されている。よほどのトップシーズンでなければ、駐車に苦労することはまずないだろう。
 Google Maps で航空写真を表示させると、観光地の周囲に乗用車が多数駐車している様子を見ることができる。そこをナビの目的地に設定すればいい。

 2週間以上、たぶん20数都市を車で訪れて、駐車にちょっと苦労したかなというのは、コインブラとナザレだけだった。その2つにしても、結局は5分ほどで駐車場所を見つけることができたので、結局、今回の旅行で駐車に苦労したことは1度もなかったということになる。
 スペインを含め、ショッピングモールの駐車場に駐めたことは2回あるが、通常の、お金を払って駐めるような屋内型の駐車場に駐めたのは、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラだけであった。この時だけは駐車料を2200円も払ったが、それ以外で駐車料金を払ったのはマフラ宮殿の1€だけだったと記憶している。

 ただし、ポルトとリスボンには車を乗り入れていない。ポルトでは郊外に宿を取り、中心部へは片道4€ほどのUberで往復した。
 リスボンは、空港近くの営業所にレンタカーを返却してから、地下鉄駅にほど近い宿を取って、地下鉄で中心部へ移動している。
 ポルトやリスボンの市街地を車で走ることはお勧めしない。特にリスボンは大渋滞で大変そうな場面を何度か目撃した。ただ、少し中心地を離れるといくらでも駐める所はあるので、そこから公共交通機関なりUberなりを使えばなんとかなるとは思う。
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 最後に、慣れているつもりではいても、右側通行で左ハンドルのマニュアル車というのは、ときどき落とし穴がある。今回の旅行でも、2〜3度、左側を逆走し(そうになっ)た。1度などは、「なんでこいつ、正面から来るねん」と、自分の逆走を棚に上げる心理に陥ったことすらある。
 一車線ほどの幅しかない交通量の少ない道を走っていて、たまに対向車が来たりした時に譲ろうとすると、とっさに左に寄ろうとしてしまう点にも注意したい。

 また、多くの交差点がロータリー方式になっているのはヨーロッパほぼ共通だが、そうではない交差点では右折と左折のレーンが交差点の手前で分かれていることが多く、どちらに進入すればいいのかたまに戸惑った。ほとんどの場合、前車(右折)は徐行で、後者(左折)は一時停止となっている。
 (後記:そうそう、ロータリー方式でも、右折車だけを先に曲がらせてしまうタイプもあった。ロータリーの手前に右折専用車線があり、ロータリーに進むのは右折車以外、というタイプである。これも少し戸惑った。)

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 細かいことはいろいろありますが、もし何か疑問があればわかる範囲でお答えしますので、コメントをいただければ幸いです。

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2024.08.29

★マニュアル車へのサウダーデ?

 ポルトガルが「サウダーデ」で有名だというのを『地球の歩き方』の表紙で知ったというのはどこかに書いた。
 「ノスタルジー」ともちょっと違う、「郷愁」と訳すとまた違う、ポルトガル独特の概念だということであった。
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 さて、話はマニュアルトランスミッションの車についてである。

 車好きの端くれとして、「車はマニュアルに限る」というのもわからないではない。
 購入する車にマニュアルの選択肢があれば、今でもそれを選ぶかどうか、じゅうぶん一考に値すると思っていた。

 だがもはや、日本で販売されている車の99%がオートマチックだということで、この比率は何と世界一だそうである。
 輸入車を買おうとしても、並行輸入でもしなければ、そもそもマニュアルの選択肢がない。仕方なくオートマチックに乗っているという側面があると考えていた。

 しかし、今日まで1週間、1200キロほどをマニュアル車で走ってみて、マニュアルに意味はないという結論に初めて達した。
 身も蓋もない話だが、面倒くさいだけである。どうしてポルトガルでは、車の90%以上もがマニュアルなのか。

 今のオートマチックはよくできていて、いうまでもなく、アクセルだけで0km/hから200km/h超まで、スムーズに加速できる。ブレーキを併用すれば、その間の速度調節も自由自在だ。
 それに、たとえば私の乗っている車は、いわゆるロボタイズドMTと呼ばれるタイプで、メカニズム的にはMTだから、やろうと思えばクラッチ操作なしのマニュアル変速も可能だし、トルクコンバータを介していないので加減速もMTに劣らずダイレクトだ。
 燃費もすこぶるよく、あえてMTを選ぶ理由がない。

 まあ数十キロも走ればそこそこ自動的に体が動くようになってくるとはいえ、停止から90km/h(一般道の制限速度)でも、1→2→3→4→5→6と忙しくスティックをきこきこしつつ、変速のたびにクラッチを踏み込み、丁寧に戻してつなぐのを繰り返す。
 速度が変われば6→4→3→4→5→6なんてザラだ。低速の市街地でも、1→2→3→2→3→4→2→1→2・・・みたいなことをひっきりなしにやっている。
 これが面倒くさくて無駄なだけでなければ何なのか。「マシン」を自在に操る楽しみ? それは上記のとおりATでも得られるし、ほんとにいったい、マニュアルの意味って何なのかと考え込んでしまう。

 それに、いま借りている車は、変速機こそマニュアルだが、現代の車らしくいろいろコンピュータ化されていて、クラッチを踏んでこきこきしなければならないことの意味をよけいに疑わせる。
 スピードが乗ってくると○速にシフトアップせよとインパネに表示してくるし、落ちると逆にシフトダウンせよという。前車の速度に合わせて追従するクルーズコントロールもついているし、車線からはみ出しそうになると勝手にハンドルが動いて戻そうとする。誤動作だったが、前方に障害物を見つけると自動的にブレーキもかかった。パーキングブレーキも電動で、発進しようとすると自動で解除される。

 いったいどうして、変速だけ、クラッチを踏んだり戻したりしながら、しこしことスティックを動かさなければならないのか。「そんなにシフトアップ(ダウン)せよというなら、お前がやれよ」という気になってしまう(笑)
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 もはや、マニュアル車を愛好するというのは、サウダーデにすぎないという結論を得たことが今回の旅行におけるひとつの収穫である。いや、サウダーデだかノスタルジーだか懐古趣味だかわからないけれど。

 実は、次に買うかもしれない車にマニュアルの選択肢があり、少しは考えていたのだが、どんな車を買うにせよ、マニュアルはやめておこうと決めた。
 数年後にこの実感を忘れてしまわないように、ここに明確に記しておく。

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2024.08.17

★今年はポルトガルへ その3 ──関空への道

 去年ニュージーランドに行ったときには、伊丹→成田→オークランドと飛んだ。伊丹にはモノレールだけでアクセスできるので、まあ楽だった。
 ただし、帰りはオークランド→成田→(バス)→羽田→神戸だったので苦労させられた。成田から羽田へのバスも高かったし、神戸からは、ポートライナーとJRを乗り継ぎ、最寄り駅からはタクシーということになった。安い航空券の弊害である。

 今年は関西空港なので、タクシーで最寄り駅まで行き、そこからリムジンバス・・・のはずだった。

 しかしなんと、関空行きのバスが運休中だというのだ。コロナで客がいなくなって運休したまま復旧していないようである。これだけインバウンド客が訪れているのに・・・と思ったが、うちの最寄り駅などに来る外国人客はごく限られている。
 それに、物価高と円安とで、アウトバウンド(って言うのかな)もぐっと減っているらしい。われわれだって、格安の航空券が手に入らなければ行かなかった。

 けれど、それよりなにより、原因は運転手不足ではないかと思いあたった。

 やはりというか、先日、大阪府交野市で京阪バスが路線バスを一部廃止するというニュースがあった。「通勤、通学で利用者も多く、廃止は衝撃的」(交野市議会)というような路線である。
 いつもだいたい空(す)いていた関空リムジンバスなど、走らせている場合ではないのもわかる。
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 さて、バス会社の都合に納得していてもしかたがない。どうやって関空まで行くか。

 最寄り駅まではタクシーを利用して、そこからJR大阪駅に向かい、乗り換えて関空快速というのが通常のコースだ。初めからそうするつもりで行ったことも(たぶん)あるし、渋滞でバスが遅れそうだからとそちらに切り替えたこともある。

 でも、タクシーを呼んで近距離のために大荷物を運んでもらうのは気を遣うし、大阪駅で乗り換えるのも面倒くさい。
 費用だって、往復2人でざっと9000円くらいかかる。

 それくらい払うなら、いっそのこと駐車代に充ててはどうかと思いついた。車で関空(近く)まで行って、旅行中は駐車しておくのである。
 荷物の煩わしさを気にしなくていいのが何よりありがたい。

 かつて2〜3回、午前の便に乗るために前泊した際、旅行の間そのホテルに無料で駐めさせてもらったことがあった。ふつうに宿泊費を払うだけで、2週間とか駐めさせてくれるのはとてもありがたかった。

 今回はその手は使えないし、期間も長すぎる。関空かその周辺に駐める方法を調べると、以下の4つに大別できた。

1.関西空港島の公式駐車場に駐める。
2.空港ターミナル前で担当者に自分の車を預ける。
3.空港対岸に駐車して、関空まで送迎してもらう。
4.空港対岸に駐車して、自力で空港へ向かう。

 1は高い。
 2と3にはいろいろな業者がいて鎬を削っているが、料金面や条件の揃ったピンとくるものがなかった。
 4にしようかと探してみたが、愛用している akippa は2週間以上先は予約できないし、Times などを調べても、どうも食指が動かなかった。24時間500円とかもあるので、仮に20日間駐めても1万円ですむのだが、もともとそういう利用を想定していないようだし、何となく不安がある。駐めた駐車場から最寄り駅までは、スーツケースを転がして歩くことになるし。
 関空近くまで車で来て1週間とか2週間とか駐める需要は確実にあると思うのだが、誰かそれ用の駐車場を作ってくれないだろうか。

 考えた末、結局1にした。決め手になったのは、KIX-ITMカードというのを無料で作れば、駐車代が25%引きになることである。それでも高すぎるのだが、お得感にも惑わされ、ぎりぎり許容範囲かという気がした。

 このKIX-ITMカード、当初はクレジットカードかと思っていて、もう有り余るほど持っているし、今から作ったのでは間に合わないのではないかと気にしていなかった。
 しかし実際は、即日作成可能なポイントカードのようなもので、ネットで申し込んでおいて90日以内に空港で受け取ればいいということなので早速申し込んだ。
 誰でもすぐに作れるそんなカードで駐車料が25%オフになるのなら、最初から25%引いた料金を設定しておけばいいのにと思う。

 ホテル日航関西空港のサービスで関空島に車を駐めさせてもらったことはあるが、青空駐車場だった。自分で高いお金を出して関空の公式駐車場に駐めるのは初めてだが、今回は建物の中なので直射日光はあたらない。

 ただ、予約できないのにはちょっと憤慨した。駐車期間が20日間までの場合しか予約できず、今回はそれを微妙に超えるのである。
 まあ、空(す)いているようなので大丈夫なのだが、どうしてそんなつまらない制限をつけるのだろう? たとえば短期滞在を超える3か月以上はダメとかならまだわかるんだけれど。
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 ・・・薄々?わかっていたのだが、車で行って必要になるのは駐車場代だけではない。ガソリン代はともかく、往復の高速や関空連絡橋の料金がばかにならない。
 でも、今のままだと、生きたお金を使えないまま、お金を払えばしなくてすむ苦労を背負い続けつつ、一生を終えてしまうような気がしはじめたのである(ちょっと大袈裟だが)。

 この40年以上でもっとも安い航空券にこだわっている男の言うことではないのかもしれないけれど。

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2021.09.28

■狭い山道では昼間でもヘッドライトをつけましょう

 きのう、信州や新潟の狭い山道をえんえんと走りながら、いつものように、ヘッドライトをつけていない車が多いのに閉口していた。
 数えてみたが、つけている車は30台に1台くらいだった。実に3%ほどである。

 ヘッドライトをつけることは、対向車の視認性を格段にあげる。
 昼なお暗い山道では特に有用だ。
 また、カーブミラーにライトが反射すれば、対向車が来ることは一目瞭然。
 間違いなく、安全にも資する。

 私自身は40年!前から実行しているのだが、いっこうに増える気配がない。
 「ヘッドライトがついていたから対向車が早くから視認できた」という経験をした人が増えれば、当然自分もそうしよう・・・となって増えてくるはずだが、なぜそうならないのか不思議である。
 もしかして、電気代?をケチっているとかそういうことなのだろうか?

 狭い山道では、昼間でもヘッドライトを上向きにつけ、前走者に追いついたり対向車が来たりしたら下向きにする。

 ぜひこれを、自動車教習所で教えてほしい。そして、免許更新の講習でも取り上げてほしい。

 40年経っても変わらないのだから、死ぬまで変わらないかなあ・・・

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2021.03.13

●タイヤの寿命

 きのう車のことをブログに書いたあとで、以前の文章をなんとなく読み返していると、新車を買ってから2年2か月後くらいにタイヤを交換していたことに気づいた。
 その時点で遅かれ早かれ替えなければならないくらい溝が減っていた」タイヤを、値上げ前のタイミングで交換した、とある。

 その時に、タイヤ屋の社長さんに「うるさいだけのタイヤや」と言われたオールシーズンタイヤに替えたのだが、それからまもなく4年になる。
 今年度はコロナ禍で走行距離が少なかったとはいえ、4年間では4万キロ以上走っている。最初にタイヤを替えた
のは、3万キロに満たないときだ。

 4万キロを走って、まだまだ「溝が減ってい」るというような状態ではないので、少なくとも「うるさいだけのタイヤ」ではなく、耐摩耗性にすぐれたタイヤだということがわかる(後記:調べるとまだ半分(4mm)以上溝が残っていた)。
 減らないタイヤというのは往々にしてグリップに乏しいので、必ずしもいいことだとは言えないが、グリップ不足を感じたことはないし、懐にはやさしい。
 ただ、雪道でもある程度の性能を確保するべく、コンパウンドは柔らかいはずなのだが、どうして持ちがいいんだろう?

 それはともかく、4年4万キロというのは、タイヤの交換を考えるのにちょうどいい時期かもしれない。たとえ溝はそれほど減っていなくても、ゴムは確実に劣化している。

 そういえば、奄美大島で借りたレンタカーのタイヤのサイドウォールにヒビが入っているのを見て、ちょっと不安になった。世間はそんな車であふれているとはいえ、自分の車のタイヤならそんなことは許せない。
 ほんとに文字どおり「タイヤは命を乗せている」(©ブリヂストン)し、タイヤと地面とのわずかハガキ4枚分の接地面積が「走る曲がる止まる」のすべてを担っているのだ。エンジンやブレーキやサスペンションやボディの性能がいかに向上しても、最終的にはタイヤ次第なのである。

 ・・・というわけで、次はどんなタイヤを履くか改めて考える必要がある。

 今のオールシーズンタイヤは、少しうるさい以外に欠点が見つからないんだけれど、いざという時の限界性能はやはりふつうのタイヤには劣るだろう。
 この4年、わざわざ雪道を走りにいったとき以外に役立ったことも一度もなかった。

 となると、やっぱりふつうのタイヤにするべきかなあ・・・ でも、雪道を一切走れないというのもイヤだなあ・・・

 まあ、もうしばらく考えてみよう。幸い溝はたっぷりあるし、ヒビはまったくない(はずだ)。

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2021.03.12

●愚かな電子制御

 先日のこと、車のエンジンを始動したところ、回転にばらつきがあってちょっとした振動を感じた。

 隣に乗っていた息子はまったくわからないという。

 「ほらほら、回転が安定してないやろ」などとしつこく確認すると、「そういえば・・・」という感じである。

 インパネにはオレンジ色のエンジンマークが点灯したままなのに気づいた。
 そのうち、EPCという表示(後で調べると、Electric Power Control ≒ 電子出力制御 のことらしい)も不気味に光った。

 マニュアルを取り出して調べると、「エンジン電子制御装置の不良」「ゆっくり走行してディーラーへ」とある。

 こないだ、ディーラーではない遠方の整備工場で1年点検を済ませたばかりであり、何となく敷居が高い。整備工場は遠すぎる。
 それに、お金もかかりそうで気が重い。

 ただ、ちょっと不安定にばらつくアイドリング音を聞くうち、原因の見当がついた。

 おそらく、4気筒のうち1気筒(もしかすると2気筒)がカブって失火しているのではないかということだ。
(「カブっている」というのは、濃すぎる混合気のために点火プラグが濡れた状態になり、火花が適切に飛んでいない状態のことです。)

 かつて、同じ原因でエンジンがかからなかったことがあったし(その時は、まさか現代の電子制御エンジンがカブるなんて思いつかなかった)、数日前に車止めのブロック位置を調整するためにちょっとだけエンジンをかけて車を前後させたことを思い出した(エンジン始動時は混合気が濃いので、そのままエンジンを切ったりするとカブることがあります)。

 案の定、少しアクセルをふかすと回転は安定し、いったんエンジンを切ってから再度かけたときには落ち着いていた。
 息子と2人、ひさしぶりの天下一品(ラーメン屋)に着くころにはエンジンは快調で、昼食後はまったく何ごともなかったかのようだった。

 いつかのように大ごとにして恥をかいたりせずにすんでよかった ^^;

 それにしても・・・

 前回といい今回といい、何が「電子制御式燃料噴射」だよと思う。所詮は、100年前のエンジンと同じ理由で不調になるのである。

 さらに許せないのは、「エンジン電子制御装置の不良」などではぜんぜんないことである。プラグがカブっているだけなのだ。
 プラグかぶりかどうかも判断できないで、何が電子制御か、何がコンピュータ診断かと思う。

 電話が進化して、「カメラ付きコンピュータ(通話もできます)」になっていったのと同様、車も進化して「居室付きコンピュータ(移動もできます)」になっていく途上にある。

 しかし、30年経っても50年経っても、すべてが「電気自動車」になっても、似たようなバカげた「電子制御」が残るんだろうなという気がする。

 内燃機関としてのエンジンはなくなって、プラグがカブることはなくなるにしても。

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2020.12.06

★苦節?半世紀

 苦節?半世紀、とうとうちゃんとしたラジコンを手に入れた。
(いま初めて知ったんですが、「ラジコン」って登録商標なんですね。びっくり)

 ここまでの道のりは長かった。

 昭和生まれの少年にとって、(一般名詞としての)ラジコンは常に憧れの的であった。

 最初に手に入れたのは、レフティRXというもの(任天堂だったんですね)。

 ボタンを押すと直進、離すと「スリリングにカーブを切ります」(TVCM)という謳い文句だったが、要するに動力がなくなってスプリングの力でタイヤが左を向くだけ。
 つまり、左折しかできない車である(だから lefty)。絶妙なタイミングで再度ボタンを押さないと、直角に曲がることすらむずかしい。
 そして、すぐに電池がなくなって動かなくなるのだが、これも「充電は極めて簡単」という謳い文句に嘘はないものの、極めて長い時間がかかるたいへんなもので、イメージとしては、5分遊ぶと1時間は何もできないというシロモノであった(訂正:ネット情報によると、2〜3分遊んで同じくらいの充電時間だったようです)。

 当時の価格で5千円くらいだったと記憶している。
 今の物価だと5万円以上ではないだろうか。
 デパートで大もめに揉めた挙げ句、「1台だとまた取り合いになってケンカばかりするから」という理由で兄の分と2台買ってもらったのだが、よくもまあ、買ってくれたものだと思う。
 にもかかわらず、上記のような事情もあって、うれしかったのは最初だけ。それほど遊ばず放置することになったような気がする。

 小学校高学年になると、「Uコン」というのがはやった。

 これはエンジンを積んだ飛行機で、そこは本格的なのだが、何しろラジオコントロールではなく、主翼の端からワイヤー?を2本引っ張り、その端をU字型のコントローラーの先端に結びつけ、それを持った人間が円の中心にいて、そのワイヤーを半径(10メートル強か)として、人間がぐるぐると回りながら飛行機に円を描かせて飛ばすというものであった(おわかりになるだろうか?)。

 それでも十分憧れの対象だったのだが、これはたぶん高価すぎて、親にせがむということもなく、中高生?が遊んでいるのを見学するという感じだった。
 同級生もたしかひとりだけ持っていたのを覚えている。

 ・・・というような調子で半世紀の歴史を遡っていくととんでもないことになりそうなのでこの辺にしておくが、息子が生まれてからは、子どもをダシにして、(おそらく)車3台、戦車1台、飛行機1台、ヘリコプター1台のラジコンを経験した。
 車と戦車はちゃんとしたラジコン(うち車1台と戦車はけっこうな大きさの本格派)なのだが、肝心の息子はそれほど興味を示さず、私自身もなにごとにも夢中になれない移り気かつ飽きっぽい性格なので、購入当時はそれなりに楽しんだものの、どれもそれきりになっている。

 あ、車のラジコンについて書いたものは、このブログにもあるはずだ。

 飛行機のほうは完全なオモチャで、飛ぶには飛ぶのだが、ちょっとした風でもすぐ流されてしまう。確か初飛行の日に、近所の低層マンションの屋根に乗ってしまったのを必死の思いで回収したのは覚えているが、にもかかわらず、その後遊んだ記憶がない。

 ヘリコプターは、飛行機仲間の忘年会?の景品でいただいた。これも小さなオモチャだが、何しろヘリコプターなので操縦がむずかしく、結局は一度もまともに飛ばなかったと思う。
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 前置きが長くなった。

 苦節?半世紀、とうとうちゃんとした「ラジコン」を手に入れたのである。

 もはやだれもラジコンとは呼ばないが、幼いころから憧れたラジコンの究極形であることは間違いない。

 そう、ドローンというやつだ。

 DJI Mini 2 という、この11月に発売された最新機種。やや値は張るが、買う気が失せるほどではない。その素晴らしさはとてもここでは書き切れないので、メーカーの宣伝を見てほしい。
 これが、あの「レフティRX」と(物価を考えれば)それほど変わらない値段だというのはすごい。まあ半世紀近い時間が流れているのだから当然か。

 相変わらず短い時間(15分ほど?)しか遊べず、すぐに充電が必要になるのだが、初めから電池が3本ついてくるセットがあるのもありがたい。

 iPhoneに代表されるスマートフォンの使用が大前提になっていて、持っていなければそもそも飛ばせないのだが、それにも逆に感心した。
 スマートフォンの可能性をこんなふうに広げるなんて。

 あと、買ってからわかったのだが、これはむしろ、ラジコン飛行機というよりは、コンピュータ制御の空撮用カメラである。
 ちょうど、iPhoneが、電話というよりはむしろ、コンピュータ付きカメラであるように。
(それにしても、みんなカメラが好きなんだなあ・・・)
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 結局手に入れることのなかった、そしておそらくこれから一生手に入れることもない、本格的なラジコン飛行機は、そもそも初心者は飛ばすことすらできない。
 離陸させて空中で種々の機動をさせることならなんとか可能かもしれないが、上手に着陸できなければ、初飛行が最終飛行になってしまうからである。

 ドローンもそうなるのではないかと、ひそかに恐れていた。
 墜落して壊れると、6万円である。
 壊れたら安く交換してくれるという1年保険が6160円で用意されているが、入っていない。

 しかし、それなりに手のかかる理解と手続きを経て、リビングでの初飛行を終えるころには、これなら大丈夫だと安心した(のを後悔しないことを祈る)。

 なにしろ、

1.自動で離着陸できるし
2.何も操作しなければ、同じ場所でホバリングを続けているし
3.まったくの初心者でも操縦は驚くほど簡単

なのだ。

 何という夢のような飛行機・・・

 ただ、これでは操縦の楽しみというものがそれほどないのではないかとも思ったが、なあに、これは飛行機ではなく空撮用カメラなのである。
 カメラとしての楽しみは、けっこうありそうだ。
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 とはいえ、なにごとにも夢中になれない移り気かつ飽きっぽい性格・・・

 苦節半世紀、理想に近いドローンを手に入れても、それは変わらないだろう ^^;

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2020.10.04

◆陸海空を制覇?しようかな

 先日、自動車の合宿免許取得がGoToトラベルキャンペーンの対象になることをネットで知った。
 どうせ取るならこの機会に取るといいなあ・・・と思ったが、取りたい自動車免許はもはやない。

 残念に思っていると、ニュース番組で船舶免許も対象であることを知った。そりゃそうでしょうね。
 でも、船舶免許を取ろうなどと思ったことはほとんどない(弟が持っているため、ちらっとは考えたことがある)ので、思いつかなかった。

 調べると、飛行機で沖縄まで行って取っても、ふだん淡路島で取るより安い感じだ。

 でもなあ・・・免許だけあっても、船がなければどうしようもない。
 今だって、免許はあっても飛行機がないからどうしようもないのだ。

 まあ、飛行機は将来、アメリカとかハワイとかグアムなんかで(ぜんぶアメリカですね・・・)インストラクターを横に乗せて借りて飛ぶとかを考えている(カナダやヨーロッパもいいなあ)。

 船だって借りられないこともあるまい。

 それに、免許なんか使う予定はなくても、沖縄に体験型の観光旅行に行ったと思えば、何とか許せる金額である。

 うん、その考え方はちょっと魅力的だ。

 日本中、わりとどこに行ってももはや感動はほとんどなく、車で走り回って帰ってくるだけの旅行でも何万円もかかってしまう。

 それに!、船舶免許をとれば、自動車・二輪車・飛行機・ダイビング・船と、陸海空を制覇?したことにもなる。
 そんなしょーもないことにちょっとした価値を見いだす愚かな男であってみれば、あながち真面目に考えないこともない。

 どうしようかなあ・・・ 面倒くさいし、その価値があるかなあ・・・

 行けるとすれば連休に絡めてしかないのだが、幸か不幸か、すでにまとめて有休を取っている。

 連休で混んでいるから無理だろうか。
 だとすると、予約が取れなければ縁がなかったと思って諦める、取れれば行く・・・というのもいい。

 こういうどうでもいいような小さな運を、天に任せるのはけっこう好きなのである。

 あ、船酔いするんですが、それは・・・

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2019.09.07

■ラトヴィアの道路標識、練習問題

 この標識の意味はなんでしょう?
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続きを読む "■ラトヴィアの道路標識、練習問題"

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2019.09.02

■Over Siberia vol. 5 ──バルトドライブ四方山話

 先述の通り、エストニアでは特に交通ルールがよく守られていたが、一般道をメーター読み90km/hくらいで走っていると、抜かされることもときどきあった。
 その割合は、ラトヴィア・リトアニアと南下するに連れて増えていった。

 さて、90km/hで走る車を抜かすときの速度はどのくらいになるか。速度差から見て、たぶん110km/hくらいは出ていると思われた。
 対向車線の車は、ふつうは90で近づいてくる。すなわち、互いの相対速度は200km/hに達することになる。

 にもかかわらず、追い越し禁止区間はほんとに必要最小限で、ほとんどの場所で追い越しが可能だ。
 危ない思いをしたことはなかったが、真正面から車が200km/hで近づいてくるのはあまり気持ちのいいものではない。

 追い越される車が右寄りを走行し、追い越す車が真ん中を、対向車線の車も少し右に避けて、3台が2車線を使う形ですれ違ったのを一度だけ見た。すぐ横を速度差200で車が通過するのを考えるとぞっとするが、互いに?譲り合って衝突を避けようとしているのかもしれない。
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 驚いたのは、高速道路的なエストニアの片側二車線道路(高速道路は存在しないそうである)でUターンが可能なことであった。
 というより、高速道路的な作りなのにインターチェンジがなかったりするので、左折するために、目的の場所を通り過ぎてからUターンして中央分離帯を越え、対向車線に入る方式が採られているのだ。その後右折することで、本来の左折の目的を達するわけである。

 左折できる交差点を設置するのと、対向側の追い越し車線へとUターンするのとではどちらがより危なくないのかはよくわからない。制限速度は90km/hである。もっとも、交通量がごく少ないので、Uターンで緊張するということはなかった。

 また、実際に見たのは2箇所だけだったと思うが、リトアニアの本物の高速道路(制限速度130km/h)でも、このUターン方式が採られているところがあるのにはびっくりした。交通量だって、エストニアとは比べものにならないくらい多かった。幸い、自分がそこでUターンする必要はなかった。

 びっくりしたといえば、高速道路的な道路はおろか、本物の高速道路ですら路側帯を走る自転車をときどき見かけたことである。一度だけだが、歩いている人も見た。
 確かに、自転車や人が通ってはいけないという標識を見た記憶はない。しかしながら、90km/h制限の一般道でも道の端を自転車が走っていると緊張するのに、路側帯がそれなりにあるとはいえ、130km/hの車の横に自転車がいるのは、やはりちょっと異様であった。
 これまでたぶん20を超える国で運転していると思うが、こんなことは初めてだった。
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 ヨーロッパでよく見かけるラウンドアバウト(ロータリー)についてはこちらをご覧ください。

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